ひとりごと2003年10月分  


このページは私の日記のようなものです。私の感じること、周りで起こったことを書きます。


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栄子先生のピアノ教室プロフィールひとりごとも是非ご覧下さい。


10.31

 今日は定期と明日からの近郊の演奏会の合間の休日でした。ショッピングセンターに行って懸案の買い物をたくさんしました。CATLANDというスリッパの遊び場の新型を買いました。

 今まで使っていたものよりがっちりした出来で、スリッパもとても気に入っているようです。もっとも私はこれを組み立てる時に掌の皮がむけてしまいました。少し小さめのドライバを使っていたからです。
 今まで家の中でデカイ顔をしてのさばっていた健康器具(自転車とかチェストベンチとかです。)を今日粗大ごみに出しました。家の中はとてもサッパリとしました。栄子先生は家中を片付けないと気が済まないと、これからの片付けのスケジュールを考えているようです。

 明日とあさっては浦和と富士でマチネの演奏会です。明日は途中でHさんを乗せて浦和の埼玉会館に車で行きますが、あさっては天気も良さそうですし連休の中日なので車は諦めました。行きも帰りも大渋滞必死だからです。新幹線を使うのですが今回は品川駅開業後初めて品川で乗り換えます。総武快速で行くと品川で降りて乗り換えるのがとても近いようです。明日の本番は16:00、あさっては15:00と微妙に時間が違うので間違えないようにしないといけません。


10.30

 11月15日にサントリーホールで行われることになっていたサヴァリッシュ先生の80歳バースデーコンサートが先生の健康上の理由でキャンセルになりました。ウィーンフィルの演奏会についてはサントリーホールのホームページに詳細が出ています。夏頃にはお元気で、日本に来られることをとても楽しみにされていたそうですが残念です。来年には必ずいらっしゃるというファックスが送られてきたそうです。

 今日は定期2日目でした。印象は昨日と同じです。来月の1日2日とあと2回同じプロで演奏会があります。私自身も全体としても昨日の方がまとまりが良かったように感じました。拍の頭が今一つピリッとしない所があったからです。メルクルさんは今回割と大きな動作で振られているので、こちらから見ると「あれっ、今何拍目?」というように見えるのです。もう少し小さく振っていただけると助かるのですが.......

 栄子先生は理恵子がワルシャワに行ってから、家の中を片付けることに目覚めています。今日も家に帰ってから明日の粗大ごみに3点ほど出し、寝室を模様替えしました。(既に家中のカーテンの洗濯をしています。その上今朝は花壇の植え替えを朝早く起きて済ませました。私が寝ている間に花壇の様子は変わっていました。)


10.29

 今日はB定期の本番でした。今回の1ヶ月の定期を通して、ジークフリートを指揮された時のメルクルさんと今回のメルクルさんとは私の中ではあまり結びつきません。楽屋でもしばらくその話に花が咲きました。
 シュトラウスの曲を今日のように続けて何曲も弾くととても大変です。弦楽器はどの曲でも細かいとても弾きにくい音形を弾き続けるのですから。管楽器の人達はセクションによって違いはありますが、ある人はティルがきつく、他の人は薔薇の騎士がきついとさまざまな感想を言っていました。(ヴァイオリンはどの曲もきついのですが........?)
 今回はあと3回同じ曲を弾かないといけません。(明日と1日に浦和、2日に富士で演奏会があります。)体調を良くしておかないと本番の時に集中できないので、夜更かししないようにしないといけません。

 私達は本番のあと家に帰ってから食事をするので、どうしても食事の終わるのは真夜中になってしまいます。(本番のあと飲むので、飲んで食事をすると2時間近くかかってしまいます。)それから何かをするとすぐに夜中1時とか2時になってしまいます。2日目は本番だけなので午前中に何かするということがなければ朝寝坊してしまいます。
 私ももっと若い時は本番の日は1日4食食べていました。朝、昼、本番前、本番のあと家でです。演奏旅行中もそうでした。でも最近は1日3食+αにとどめています。+αというのは本番前に軽く、家に帰って軽く食べて飲むからです。


10.28

 今日はブルレスケ・シリーズの定期の練習最終日でした。初めにそれぞれの曲をメルクルさんの気になるところをとりだして部分練習をした後、通して弾きました。ティル、薔薇の騎士、グラネルトのブルレスケという弦が16型の曲を午前中に練習し、午後からR.シュトラウスのブルレスケを練習しました。グラネルトのブルレスケは他のシュトラウスの曲とはいささか趣の違う面白い曲です。シュトラウスのブルレスケはそれぞれの部分を見るとそれほど難しいわけではないのですが、テンポも速いし、断片的なリズムが多い上に他の楽器とのリズム的な噛み合いはなかなか難しいです。(こういう曲で1ヶ所間違えるとしばらく元に戻れないものです。)ソロのブフビンダーさんは見事な演奏を披露されています。ティルと薔薇の騎士は何回か弾いている曲ではありますが、いつ弾いても難しい曲です。薔薇の騎士では特にゆっくりな所がとても遅く、先に行ってしまわないように間を取るのがなかなか難しいです。

 練習が終わった後渋谷のNHKに行き、その後千駄ケ谷に行きました。今日はどこもとんでもなく混んでいて普段の倍近い時間がかかってしまいました。普段より10kmちょっと余計に走っただけなのに、今日はとても疲れました。明日は空いていると良いな.........


10.27

 今日もティル、薔薇の騎士、シュトラウスのブルレスケという順で練習しました。薔薇の騎士の最後のワルツの部分などとてもジックリとしたテンポです。今まで弾いた時の様なつもりで弾くとはるか先に行ってしまうのです。(管楽器の人達は呼吸をしなければいけないので、弦楽器より更に大変だろうと思います。)午後からシュトラウスのブルレスケを練習し、最初の1コマはカラオケで、次の1コマはブフビンダーさんのソロ付きで練習しました。シュトラウスの音楽はとても擬音的なところがあり、例えばティルの最後の曲頭のテーマが戻ってくる前の弦のピッツィカートは絞首刑になったティルの血が滴り落ちる音だという説明をメルクルさんがされていましたが、改めてそう言われると弾きながらその場面を想像してしまいます。

 ある方とオーディオについてメールのやり取りをしている中から改めて感じたのですが、楽器も結局は弾き手の個性が音の面については一番大きなファクターになるのと同様に、オーディオのスピーカー選びも結局は持ち主(弾き手)の個性によって出てくる音が左右されているのです。楽器の場合どの楽器を弾くかということより、誰がその楽器を弾いているかという事の方が音質の面では大きなファクターになっています。スピーカーについても同じことが言えます。結局は聴いている人それぞれの音楽に対する好みと同じ数だけ出てくる音も違うというものです。
 私はオーディオは音楽を聴くための道具だと割り切っていますし、私達演奏家はオーディオに手を入れる暇があったらその時間で音楽を聴きたいし聴かなければいけないのです。ですからどこの部品をどう替えたらどう音が変わるかということは面白いし興味はありますし、時間の許す範囲内では色々やってみています。でもそういう部分の変更は所詮は調味料を替えてどうだったかという程度の変わり方でしかありません。問題になるようなキャラクターの違いはそんな部品の交換からは生まれてきません。
 これは楽器についても言えることで、ある人が楽器を替えた途端に上手くなるというようなことはあり得ないのです。楽器を替えても弾く人が同じなら出てくる音は基本的に変わらないのですから、弦を替えた時の変わり方などほんの些細なものです。(勿論演奏家はその些細なことが気になるのですから、弦も一生懸命選びます。)


10.26

 今日はB定期の練習でした。練習の初めにメルクルさんが今度の定期のテーマはブルレスケだと説明されていまいた。諧謔的な音楽を集めたプログラムだということだそうです。ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらなど題からして冗談そのものです。今日の練習をしていてメルクルさんが「ここはティルが死刑を宣告されて、絞首刑になったところです。」というように説明されていたところで、私は前にサヴァリッシュ先生がこの曲を指揮された時のことを思い出しました。サヴァリッシュ先生も同じことを言われていたのですが、それを言われた時のサヴァリッシュ先生のなんともイタズラ小僧のような顔を急に思い出したのです。
 ティルのあとはバラの騎士を練習しました。今回のバラの騎士はいささかお行儀が良すぎるような気がするのですが、これからの練習の中でどう変わるのかも楽しみの1つです。(前回の復活も練習の時と本番とはかなり感じが違っていました。)それにしてもR.シュトラウスの音楽は色彩感にあふれる曲です。音の動きが物語をとても上手に表現しています。グラネルトのブルレスケはまだ正体のよく分からない曲です。

 家に帰ってから大人の人をレッスンしたのですが、子供と違ってどうしても頭で全てを制御しようとしています。曲はあるテンポで進んで行くので、頭でコントロールしようとするからテンポがどうしても落ちるということが分かってもらえないのです。1フレーズ無事に弾き終えると安心して、次のフレーズまでのつなぎに大きな穴が開いています。かなり昔に書いたことがあるのですが、大人は子供のように全体をひとまとまりとして覚えようとしないのです。やはり暗譜こそが上達の一番の早道です。(譜面を見ないで弾けるようになれることは当然の条件です。)


10.25

 今日は休みでした。昨日本番のあと家に帰ったら阪神が2連敗のあと3連勝して、我が家の一番の阪神ファン理恵子はポーランドでインターネットで結果を調べて喜んでいるようでした。
 今日は近くのショッピングセンターに2度買い物に行ったのですが、スリッパの大好きなペット用の煮干しを買って帰ったら匂いがするらしく早速おねだりのポーズをして待っていました。新鮮な煮干しは味が違うらしく満足していました。

 明日からはB定期+浦和、富士というシリーズの練習です。今回2日の富士市の演奏会は行きも帰りも車で行く有難みは多分ないだろうと思うので新幹線の切符を予約しました。富士の演奏会はズィッツ・プローベが13:30、本番が15:00なので連休の真っ最中に大渋滞に付き合わされそうだからです。新幹線が品川に止るようになってこちらから行くと快速で品川に行って乗り換える方が東京で乗り換えるよりはるかに楽なので、今回はそれを確かめてみようと思っています。
 今回のプロは1曲目がグラネルトのブルレスケ、2曲目がR.シュトラウスのブルレスケ、3曲目がティル、4曲目がバラの騎士組曲というシュトラウスシリーズです。定期でも珍しいプロですが、こういうプロで近郊の演奏会で回るのは更に珍しいです。弾く方はとても大変なプロですが、聴くのはとても面白いプロだと思います。

 私は普段家では日本酒を飲むのですが、このところ焼酎を続けて飲んでいます。焼酎の中には下手な日本酒も顔負けの美味しいものがあり、今色々試しています。今飲んでいるのは黒糖の焼酎です。


10.24

 A定期の2日目でした。メルクルさんは復活を指揮されるのは初めてという話ですが、とてもそのようには思えないスケールの大きな演奏でした。出だしなど今日の方がより締まっているように感じました。
 昨日新しいミュートを買いましたが、今日はまだ新しいために硬くて使いにくかったです。しばらくすればもっと馴染んでくるでしょう。
 今日でクラリネットの内山さんは最後の定期演奏会でした。カーテンコールの時に横川さんがステージに出てこられて、内山さんに花束を渡されました。メルクルさんが内山さんをステージの中央まで連れて行かれました。内山さん、長いことご苦労さまでした。

 実は私は今朝明け方に変な夢を見て、寝ながら大声をあげてしまいました。その声を聞いて栄子先生がビックリしたのは勿論なのですが、栄子先生の横に寝ていたスリッパが私の声にビックリして恐る恐る遠くから私を見ていました。すごくドスの効いた声だったそうです。

 今日でやっと色々なことが落ち着いたので、明日からはやっと普段通りになります。栄子先生もやっと気管支炎が良くなってきましたし.......


10.23

 今日の復活は名演だったと思います。ゲネプロまでと本番とはテンポもかなり違いましたが、本番はバッチリ決まりました。全体としてはスケールの大きな演奏になりました。復活の5楽章はバンダがつくのですが、今回はステージ袖のロビーで弾いた音を会場にPAで流すという珍しい試みでした。普段のようにバックステージで弾いた音を直接会場に流した方が良かったのでは........?
 今日ゲネプロの時1〜4楽章までを通してから合唱団が入るために10分休憩しました。その時私は使っているミュートがなくなってしまいました。その休憩時間に色々なところへ楽器を持ったまま行っていたので、どこかでミュートを何かに引っかけて落としてしまったようです。5楽章のゲネプロが始まってミュートをしようと思ったら見つからなかったのです。 ゲネプロ終了後1つ用事を済ませてから慌てて楽器屋さんに行ってミュートを買いました。


10.22

 今日は午前中に1〜4楽章を、午後から5楽章を練習しました。今日の並びではソプラノとアルトのソロがセカンドの後ろにいるのですが、Tuittiのフォルティッシモの時も後ろからしっかり声が聞こえてきます。声を張り上げているのではないのに、しっかり聞こえてくるのは発声法が完璧なのでしょう。5楽章のソロ、合唱、バンダの絡みは複雑で、明日ホールでやってみないとどのようになるのか予想できません。明日はゲネプロの1時間前にバンダの音をホールで確かめることから始まります。今回の復活はかなり期待できるのではないかと思います。

 今日は栄子先生は風邪がぶり返して寝てしまいました。私もあまり快調ではないので今日は早く寝て、明日の本番に備えます。


10.21

 今日は4楽章のアルトソロ以外はカラオケで練習しました。5楽章はソプラノとアルトのソロ、合唱、バンダ等の付く長大な楽章です。1楽章が25分近く、5楽章が35分かかります。この曲は弾くとしんどいのですが、聴く分には色々な世界が楽しめて長くてもあまり飽きないです。
 今日は練習の他にやらなければならない事が3つもあり、その上それが終わったあと別口の用件が1つあり、終わって家に帰ったらグッタリしました。そのせいもあり早く寝ようと思っていたのですが、なかなか思ったようには物事は進みません。

 家に帰ったら栄子先生が紹介しているこの前のカワイでのリサイタルの録音をCDにしたものが届いていました。食事しながら2階で聴いたのですが、今は下の部屋のステレオで改めて聴いています。明日も早いのでそろそろやめにして寝ないといけません。


10.20

 今日は復活の練習でした。1楽章、5楽章、3楽章の順に練習しました。この曲は1楽章だけで25分もかかる大作で、5楽章の形をとっています。練習の方も午前中はほぼ第1楽章で終わってしまいました。第1楽章だけを1つの作品としようとしたこともあるそうですが、それくらいの重量感のある楽章です。このところ何回もCDで聴いているのですが、実際に自分が弾いてみると聴いているのとはまるで違う世界の出来事に思えます。「聴くと見るとは大違い」ではなく、「弾くと聴くとは大違い」というところです。

 ポーランドに行った理恵子はiBookを持って行っているのですが、インターネットにつなぐのにとても苦労しました。メールが読めない、ホームページが見られないと問題山積で、やっと昨日の夜にメールの問題は解決しました。まだホームページが見られないそうです。ポーランドの通信事情のせいなのか単純に接続の仕方が悪いのかは知る由もないのですが、早く解決したいです。
 例えば日本からワルシャワのATTの接続ポイントにはアクセスできるのに、ワルシャワ市内からはそのアクセスポイントはいつもお話し中なのだそうです。ポーランドの電話は安定したものとはとても言えないです。(今までの演奏旅行でこんなことを経験したことは今までありません。ロシアでももっとずっと安定していました。)
 先ほどホームページも見えるようになったとのメールが入り、これで問題は一応全て解決しました。


10.19

 明日からはメルクルさんの2番目の定期、マーラーの復活です。今回も対向配置で弾くようです。この曲は去年の秋のレコ芸の座談会で課題になっていた曲です。この曲は1楽章が終わったところで5分休むように指示があるのですが、今回はどうするのでしょうか。5分もステージの上で動くなといわれても困ります。

 今日は午後から送っていただいたサンバレーのPrime Tubesの300Bを色々な形で聞いてみました。今までSV-91Bのサンプルに挿して聴いていました。今日はまずSV-501 SEに挿してみました。Golden Dragonと挿し替えてみましたが、501の場合はGDの方が合っているようでした。SV-91Bに挿した場合はSvetlana、GDに較べてカラフルに感じ、私の印象ではSV91BにはPrime300Bが一番合っているように感じました。この管を替えるという作業は、ヴァイオリンの弦を替えるのと同じような意味合いがあるように感じます。弦を替えたからといって楽器の特性が変わるわけではないのですが、たしかに音の肌合いはかなり変わってきます。でもヘボ楽器が弦を替えたくらいで名器になるというようなことは絶対にありません。これこそまさに真空管と同じでしょう。
 音の評価は理屈ではなく音ですべきです。生の楽器の音をよく勉強して、頭ではなく耳で聴くべきです。理屈は現象を説明するために後から付いてきたものなのであって、理屈通りに作って良い物が出来るというほど簡単ではないのです。理屈が先行して音の真の姿を聴いていないから、いつの間にかオーディオはマイナーな趣味になってしまったのです。このままではオーディオは衰退の一途をたどるしかないでしょう。
 勿論オーディオの世界にも危機感をもって色々新風を吹き込もうとしているメーカーがたくさん現れています。真空管オーディオフェアなどでもそういうメーカーのブースは人がとてもたくさん集まっています。サンバレーはその筆頭にあげられるメーカーの1つです。


10.18

 理恵子はポーランドに無事着いたようで先ほど理恵子からFAXが来ました。早速バレエの公演を見に行くという話が持ち上がっているようですが、着いて早々バレエを見に行けるというのはとても有難いことです。

 今日はメルクルさんのC定期の2日目でした。今日の印象は昨日とは変わりありません。今回のプロについてはどうしても音楽が持つ自然のテンポに対して、実際の進行が遅すぎるような気がしてなりません。どうしても反省会を開きながら弾かされているような気がしてならないのです。(曲目紹介号には浄夜は26分、ブラームスは44分とありますが、実際には浄夜は35分、ブラームスは50分以上かかっています。)私自身どうも割り切れないまま今回の2日の本番は終わってしまいました。

 明日は一日お休みですが、月曜日からはマーラーの復活の練習が始まります。この次も対向配置で弾くようです。この対向配置というのは指揮者としては面白いのかもしれませんが、ヨーロッパのオーケストラは結局アンサンブルのためにこれをとらなかったわけですから、弾く側から言うと基本的に弾きにくいのです。(ファーストとセカンドの緊密なアンサンブルは距離的な問題から初めから放棄しているのです。ピアニッシモの時など反対側にいるファーストに合わせて弾くことなど無理なのです。とにかく聞こえないのですから。)

 最近落ち着いてステレオを聴く時間が持てません。ステレオは楽器と同様色々な細工を施されるケースが歴史的にもとても多いです。(蒸気乾燥でそれまでのとても多くの楽器をダメにしたとても高名な楽器製作者もいます。その人のおかげで古い名器が世界的に不足することになったのです。それくらいアイデアとそれからもたらされる結果がかけ離れているケースはとても多いのです。)ステレオについても同様でしょう。部分的にどこがどうだという判断など誰もそんなこと百も承知なのです。断片的な知識をどう全体としてまとめるかこそが、作者の腕なのです。
 アンプの製作者はこの定価の中でどこまで自分の夢を音に出来るか悩んでいるものです。その中には製作者自身の音楽に対する思いが詰まっているのです。まずその産物をそのまま聴いてみて作者の思いをちゃんと受け止めるのが一番大切だと私は思っています。


10.17

 今日は私にとっては娘が留学に出発するという記念すべき日でした。私はゲネプロ本番なので、朝京成八幡の駅まで栄子先生と理恵子を乗せて送るくらいしか出来ませんでした。理恵子はさすがに何度もワルシャワに行っているので、あまり緊張感がありません。出来ることなら成田まで送ってやりたかったのですが...........飛行機はほぼ定刻に出発したようです。
 本番が終わって家に帰ると何も知らないスリッパが走り回っていましたが、家の中はいささか静かでした。といっても理恵子がいないことは今までも何回もあるので、「ああ、またこれですか。」といった程度です。

 今日は自分の事の方に気が行っているのであまり冷静に演奏を見られませんが、今日のブラームスのピアノ協奏曲はまるで普段弾く曲とはまるで違う曲のような気がしました。テンポがかなり遅いこともありますが、普段と同じようなテンポでも音の重量感がかなり違うので弾いていてもちょっと勘違いすることが何回かありました。(私だけでなく周りの人も面食らっているようでした。)普段とは違うブラームスの協奏曲の一面をのぞくことが出来た気のするとても貴重な経験でした。1楽章のゆっくりな所や2楽章などとても長く感じて、会場で聞くとどのように聞こえるのかとても興味があります。こういう静かな所のゼルキンさんの音は素晴らしいものがあるので、これを聞くだけでも今日の演奏会の意味があろうというものです。それにしてもブラームスのピアノ協奏曲はまるでピアノのソロ付の交響曲です。

 帰りはアメリカ大統領の来日のおかげで代々木の入口が閉鎖されていて、結局呉服橋から首都高に乗りました。(このNHKから箱崎辺りまでの抜け道に使っている道はいつでもほとんどそれほど混まずに都心を抜けられます。明日のように土曜日の夕方など特にその有難みが発揮されます。)それでも40分位で家に着きましたからさほど影響を受けなかったと言えます。


10.16

 昨日ピーター・ゼルキンさんがこれほど遅く弾くかどうか分からないと書きましたが、合わせてみたらメルクルさん以上にジックリと弾かれていました。1楽章の出だしなどとてもゆっくりで迫力があります。ブラームスとしては異例の重さです。

 理恵子のワルシャワへの出発を明日に控え、てんてこ舞いしています。今日も練習の後帰りに秋葉原に行って、いろいろ電気器具を買ってきました。私は明日はゲネプロ本番なので送りには行けません。
 今日もいろいろあり過ぎ、すっかり疲れました。明日理恵子が出発したら気持ちも落ち着くと思います。トップペ−ジに理恵子のご挨拶を載せました。是非お読み下さい。


10.15

 今日は午前中に浄夜を練習して、午後からブラームスのピアノ協奏曲1番のカラオケ練習をしました。メルクルさんの指揮は全体に遅めのテンポでジックリと弾き込んでいくという感じです。(場所によるととても遅めで弾きにくく感じます。)速くて音量の大きいところはあっさり行くのですが、ユックリで静かな所はとても細かく指示されます。ピアノ協奏曲はゼルキンさんがこれほど遅いテンポで弾かれるのか明日合わせてみないと分かりません。明日は11時15分から浄夜の練習があり、午後からピアノ協奏曲の合わせがあります。

 その後久し振りに楽器屋さんに行きました。実はFinkelの毛が何本か切れてしまったので、急に毛替えをしてもらう必要が出来たのです。普段はほとんどFetiqueで弾くのでこちらは毛替えはちゃんとしているのですが、Finkelの方は手抜かりがありました。

 秋も深まり早い時間から暗くなるので、夕方の運転には気を遣います。楽器屋さんを出たのは4時半だったのでまだ明るかったのですが、家に着く頃には真っ暗になってしまいました。今週はなぜか毎日とても道が混んでいます。帰りは明大前から錦糸町まで下の道を裏道で抜けたのですが(錦糸町から市川は高速を使いました。)、2〜3ヶ所ビッシリ混んでいて思ったより時間がかかりました。


10.14

 今日からは準・メルクルさんの定期の練習です。今回はシェーンベルクの浄夜とブラームスの1番のピアノ協奏曲です。今回のプロは珍しいことにそれほど長くないです。浄夜は今回も対向配置で弾いています。(ブラームスのピアノ協奏曲は普通の配置で弾くので、休憩時間にイスを並べ直すようです。)それに弦楽器は12型という小さい編成で弾いています。今日は浄夜の練習だけだったので練習所に行っても閑散としていました。浄夜は対向配置の方が曲の作りがよく分かります。初めからとても念入りな練習で、今日は一日中浄夜の練習でした。このところの夜更かしで練習はいささかキツイでした。
  練習終了後オーボエとクラリネットのオーディションがありました。(結果については公式の発表をご覧下さい。)

 17日に理恵子が出発するので、それまでは色々やる事があり過ぎてどうも気分的に落ち着きません。向こうでインターネットをやるための準備をしたり、そのマニュアルを作ったりととても大変でした。もうほぼ落ち着き後は荷物を送るだけになりました。


10.13

 今日は一日理恵子がポーランドでiBookを使うためのマニュアルを作っていて、アッという間に真夜中になってしまいました。明日からは定期の練習ですし、今日はこれで寝ます。


10.12

 エヴァ先生は昼の飛行機に乗られるので、家を9時頃出ました。道は空いていて思ったより早く成田に着けました。

 これは隣に住む私の母がエヴァ先生と会った時の写真です。エヴァ先生は英語を喋られるので、英会話を勉強している母は楽しそうでした。成田への車の中でのエヴァ先生と理恵子の会話はまるで親子のような感じでした。診断書や銀行の話など細かくアドバイスを下さいました。
 初めは理恵子はエヴァ先生と一緒にポーランドに行く予定だったのですが、飛行機の切符が取れないので理恵子は17日に行くことになりました。そのせいか今日の成田空港はとても混んでいて、出国審査の入口には長蛇の列が出来ていました。これで理恵子の出発までの大きな行事は荷物の送り出しだけになりました。
 先週の月曜日からほぼ毎日東京中を飛び回っていたのでいささか疲れました。夜になってもステレオを聴く気分になれないくらいでした。今日は久し振りにゆっくり落ち着いて聴いています。いつでもそれくらいの気持ちの余裕を持ちたいものですが..........明日もう1日休みがあってあさってからはメルクルさんの指揮のC定期で、シェーンベルクの浄夜とブラームスのピアノ協奏曲第1番(ソロはピーター・ゼルキンさん)というプロです。次はマーラーの2番「復活」のA定期、次がシュトラウス特集のB定期です。浄夜は対向配置で弾かれることが多い曲ですが、今回はどうなのでしょう。復活というと去年の秋にレコ芸の座談会の時に題材になっていた曲です。(復活と6番のギーレン指揮のSWRのCDが題材でした。)


10.11

 今日はエヴァ先生が夕方家にいらっしゃいました。細かいことは栄子先生が書くと思います。
 エヴァ先生はお宅でコンプレッシーという名前の猫を飼っていらっしゃるので、普段知らない人が来るとスリッパは逃げ回っているのですが今日はエヴァ先生のいるところでも平気に歩き回っていました。明日は先生を成田まで送りに行きます。


10.10

 今日は朝から目黒のポーランド大使館、大手町のシティバンク、銀座のヤマハと動き回りました。もうすぐポーランドに行く理恵子はやらなければならない手続きがたくさんあり、あと1週間の間にやらなければならないことは山のようにあります。何といってもシティバンクでの手続きはウンザリするほどたくさんあり、終わったらズシッと疲れました。そのあとヤマハに行ってCDと楽譜を色々見たのですが、私自身はとても収穫がありました。CDはリッチの弾くパガニーニの小品集と無伴奏曲のアルバムを買いました。楽譜ではポーランド版のウィニアフスキーの小品集がとても珍しいもので、思わず買ってしまいました。またミルシュタインのCDの最初の曲として入っている前から欲しかったPergolesiのソナタの楽譜も買いました。この曲はそれほど難しくないので生徒にも弾かせてみたいです。(Vivaldiのソナタも同じように効果的な曲です。)
 帰りに近くのショッピングセンターに寄って家に着いたのは5時半過ぎでしたが、それから2時間ほど昼寝をしてしまいました。明日はいよいよエヴァ先生が夕方我が家にいらっしゃいます。

 今日は阪神の今シーズンの最終戦でした。今年の阪神を象徴するような展開で、特に8回裏の攻撃は見事でした。


10.9

 今日はスリッパの年1回の予防注射の日で、スリッパをバッグのようなケースに入れるのに一苦労しました。少しでもすき間があるとスリッパはアッという間に抜け出てきてしまいます。頭から無理やり押し込んで頭が向こう向きになっている間にやっとジッパーを占めることが出来、慌てて車に乗せて近くの動物病院に連れて行きました。スリッパは恐がっていましたが、駐車と爪切りが終わったらまたケースの中に逃げて入ってしまいました。家に帰ってしばらくは私の顔を見ると警戒していました。
 その後ずっと懸案だった芝生の刈り込みをしました。とても長くなった所と短いままの所がありましたが、切りそろえたらとてもサッパリしました。

 今日レッスンしていてやはり昨日書いた良い音の事が気になりました。生徒はレッスンに来てレッスンの中でやっと1回良い音を出せたとしても、普段は家で誰も注意できる人がいない環境で練習するのですから、次の週に来ると物の見事に元の木阿弥になってしまうのです。こういう事を何回も繰り返して、やっと良い音が何か分かるようになるのです。更に自分で弾いて音を出した(同様に人の音を聴いた時も)瞬間にそれが良い音かどうか分からなければいけません。良い音というのは聴いた途端に「良い音だな!」と思うものなのですから.......
 私達も勉強している時は同じ道筋を歩いています。レッスンの時に先生に「そう、その音忘れない様にね!」と何度言われたことか。それくらい良い音が身に付くのは難しいのです。こういう努力を何年も続けて初めてある時にそれが本当の意味で理解できる時が来るのです。 更に何か本を読んでみても、それは本当に分かっているのではなく単に耳学問でしかないのです。
 でもいつも弾く時に良い音を目指していれば、きっといつか分かる時が来ます。でも上のレベルに行くのにはとても長い時間がかかりますが、ちょっと妥協するとレベルが落ちるのはアッという間です。

 今このページをアップロードしようとして何回やってもフリーズしました。やっていて思い出したのですが、ひとりごとのサイズが大きくなりすぎるとエラーが出るのです。9月分のひとりごとを分離させて途中までをカットしたらちゃんと動くようになりました。また同じことを忘れて繰り返しそうな気がします.........歳のせい?


10.8

 今日はN響の創立77周年記念式典がありました。8月の末に亡くなられた一色さんへの黙祷の後、有馬賞と永年勤続の表彰がありました。有馬賞は外部の方には鎌倉芸術館、内部の人にはホルンの松崎さん、ヴィオラセクションに贈られました。右の写真は永年勤続表彰の面々です。永年勤続は35年、30年、20年が表彰されます。(前列左の2人内山さんと田渕さんが35年、右の2人山本さんと茂木さんが30年、2列目の人達は20年です。その後ろには現役メンバーと団友の皆さまがいらっしゃいます。)面白かったのは列席していたKサンが「勤続20年の人達より30年35年の人の方が若い。」と言っていたことでした。
 この表彰式のあと楽員控室でパーティーがあったのですが、私は生徒が来ることになっているので慌てて家に帰りました。

 最近つくづく思うのですが、生徒にどういう音が良い音かということを教えるのはとても難しいです。普段自分の出した音しか聴いていないので、自分の環境に妥協してしまうのです。その点N響で色々な指揮者やソリストと共演できるという環境はとても恵まれています。(妥協したくても次から次へと新しい刺激が攻めてきます。)これこそがオーケストラで弾いていることの最大の利点です。この良い音が本能的に分からないのと、普段から良い音と音楽を耳で聴き全身で感じられるということは取り返しのつかない位大きな違いです。とにかく素直に音楽に身を任せるべきなのです。


10.7

 今日も朝から一日中走り回り、夕方家に帰ったらずっしり疲れました。理恵子の留学に伴う手続きは想像以上に色々な事があり、時間ばかり食われます。そのあとNHKの509スタジオで来年の大河ドラマのテーマ録りをしたN響に午後から合流して話し合いをしました。そのあとNHKで1つ会議があり、今日1日で90km位走りました。

 明日はN響の創立記念日です。練習終了後記念式典があり、毎年永年勤続の職員の表彰があります。私も2年前に勤続25年でクリーブランドに行けました。明日からはN響は金沢奈良の演奏旅行の練習が始まります。(私は前にも書いた通り降り番です。)皇帝と英雄という2曲のプロですが、弾く側から言うとかなりキツイ2曲です。この2曲聴くだけなら名曲だと思いますが、演奏旅行で続けて何回も弾かされると.........となってしまうのです。ベートーヴェンの交響曲の中でも3、5、6、7番は弾く回数が多すぎて気持ちの新鮮さを維持して弾くのがとても大変なのです。それに反して2、4、8番などは弾く時にとても緊張します。どうして演奏回数が奇数と偶数でこれほど違うのか理解に苦しみます。ピアノ協奏曲もよく弾かれるのは3〜5番ですが、やはり5、4、3という順に弾かれる回数が多いです。私自身は交響曲でもピアノ協奏曲でも4番が好きです。特にピアノ協奏曲の4番の初めのピアノソロのフレーズが大好きです。ここでそのピアニストの持ち味がとてもよく分かるからです。名手が弾くとこの1フレーズがとても夢のある一瞬になるのです。この人の家に行った時の最初のご挨拶のようなこの1フレーズの難しさは表現しようがないと思います。その分ソリストにとっては弾き甲斐があるというものでしょう。


10.6

 今日は理恵子がもうすぐポーランドに向けて出発するので、竜泉の梵というお店に母と一緒にお昼を食べに行きました。詳細は栄子先生のひとりごとをご覧下さい。普茶料理のお店で、今まで何回か行ったことがあります。ほぼ2時間かけてゆっくり精進料理を楽しみました。メニューにはない料理が途中で2品ほど出て、とても幸せな気分になれました。とても静かな落ち着いて過ごせるお店です。
 その後秋葉原と神保町に寄ったのですが、雨の月曜日のせいか道はとても混んでいました。秋葉原は理恵子の引っ越しの為に家電製品を見に行きました。電気バケツとか小さいコードレス掃除機とか欲しがっていたのですが、実際に見たら見送ることになってしまいました。
 明日も朝から旅券事務所とポーランド大使館に理恵子を連れて行き、そのあとNHKに行って用事を2つ済ませないといけません。この調子で今週の降り番はほとんど休みにならないです。

 オーディオに興味のない方は面白くないと思うのですが、このところ書いているサンバレーの300BのアンプSV-501 SEとSV91Bについての続編です。私の第一印象はSV-501はカラー写真、SV91Bは白黒写真というものでした。ただし誤解していただきたくないのですが、SV91Bには色彩感がないという意味では決してありません。白黒写真はカラー写真よりインパクトがあるという事はよくあります。写真家が白黒写真で自分の真価を問うのと同じ意味で、91Bはその真価を問うている様に感じました。それにしても同じ300Bという真空管を使って、501と91Bというまるで違う音の世界を描き出せるというのは私にとってとても驚きでした。更にそのどちらもがちゃんと説得力を持った音を出しています。私にはこの2つのアンプがサンバレーの大橋さんの音に対する理想の2つの方向を示しているように思えるのです。色彩感とパワー感がそのキーワードだと思います。興味のある方には是非とも生の音を聴いていただきたいです。

 ところで僕スリッパ、時々こうやってハープを弾くのです。


10.5

 今日はNHK音楽祭2日目でした。細かい傷は今日の方が多かったと思いますが、流れは今日の方が馴染んでいました。今日は昨日と同じ配置のはずなのですが、私の前のYさんがちょうど指揮者との間にいて私からは指揮棒がちゃんと見えなかったです。結局今日はYさんの動きで棒が見えないのでとても苦労しました。私自身は今日よりは昨日の方がはるかにツボにはまっていました。今回のようなプロも定期的に弾かないといけないとつくづく感じました。
 今日聞いた話では今回のプロは盛りだくさんすぎるという意見がお客さんの中には多かったようです。1曲多すぎるという感じだそうでした。

 SV91Bを聴いての印象を書いたら色々な方からメールをいただきました。SV-501とSV91Bの違いはトランスの大きさから来るのだという意見の方がいらっしゃいましたが、トランスが大きければ低域がよく出るというほど簡単ではないのです。SV-501よりはるかに大きいトランスでも低域が出ないアンプはあります。大きいトランスは低域が出やすい傾向があることは認めますが、それが全てではありません。またAmperex(Mullard)とEiの6BM8の作りが似ているから私にとってショックだったでしょうと言われた方もいました。私にとっては製造元は区別をするための名前というくらいの意味しかないのです。別にどこ製でも良いのです。要は聴いて音が良ければ良いのです。売っている店がMullardだというからそう書いているだけで、別にその管がMullard製でなくても全然ショックだなどとは感じません。
 オーディオマニアの方はどこ製ということに妙にこだわりますが、私達の楽器の場合はもっともっと魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する世界です。例えばStradivarius作と言っても見る人によって色々な意見があるというのは日常茶飯事、工業作品ではなく手で作るものですからその違いを耳で判断するしかないわけです。それにStradivariusの形を真似したら皆同じような音が出るわけではありません。目で見ただけで音が分かるのだったら苦労はしないのです。
 数値や特性で音の全てが分かるほど単純なのだったらとっくの昔にベストのものは見つかっているはずで、良いと言われている物を集めただけでは良いものは出来ないというのは今やどの世界でも常識です。楽器の場合も大切にするものによって選ぶ楽器が変わるのと同様に、ステレオの場合もオールマイティの物などないのです。だからこそ作る人聴く人の価値観が問題になり、従って作者が問題になるのです。


10.4

 今日はNHK音楽祭の本番でした。昨日ヤングさんのテンポがよく分からないと書きましたが、今日はゲネプロの時からよく分かりました。ヤングさんはオペラの経験が豊富なようで、今日は昨日までとは一味違う感じでした。またお詫びしないといけないのですが、今日の演奏会は普通の演奏会で語りはありませんでした。
 今日の演奏会は「ウィリアム・テル」序曲の藤森さんのソロから始まりました。今日のプログラムは色々な人のソロが聴けて、とても楽しいと思います。N響はオペラなどの歌ものはほとんど演奏しないので、有名なオペラでも聴いて知っているだけというケースがほとんどで普通の曲のように譜面がイメージとして頭に入っているという事がないので、譜面をめくるたびに新しい発見があるというような感じです。例えばベートーヴェンの7番だったらほとんど譜面は見ていないのですが、今回のような曲は軽い曲でも弾くのはそれほど軽い気持ちでは弾けません。それに反してヤングさんは隅から隅までつかんでいるという指揮ぶりでした。
 今回のプロでは「ドン・ジョヴァンニ」の序曲がベートーヴェンの作曲のようなドラマティックさで弾かれたのが面白かったです。出だしも譜面上はフォルテなのに、まるでフォルティッシモのようなドラマティックさです。

 昨日書いたサンバレーのSV91Bについて少し補足します。
 初めに気難しいと感じたと書きましたが、電源を入れてすぐの時にはまだウォーミングアップが出来ていないので音の出方に何か足が絡まるような感じがあったのです。余熱が充分出来た状態だとそのような感じは全然ありません。(310Bは立ち上がるのに時間がかかるようで、SV91Bの電源を入れる時もヒーターをONにしてから1分以上経ってからB電源のスイッチを入れるのです。更に本調子になるには30分位かかります。最初に聴いたCDを1時間ぐらい経ってからもう一度聴いたら、音の滑らかさがかなり違いました。)楽器もアンプも能書きと実際に出てくる音はまるで違うものです。余計な情報を排除して、出てきた音だけを無心に聴くべきです。(感じたことを文字にするという作業があるために、同じことでも人によってまるで違う表現になったり、同じ表現を使っていても言っている意味は違うということが起こったりするので文字から全てを分かろうというのは無理というものです。是非とも実際にお聴きになって下さい。)
 昨日は一緒についてきたSvetlanaの300Bで音を聴きましたが、今度はGolden Dragonで聴いてみようと思っています。本命のサンバレーのPrime Tubesがどうなるかが一番の楽しみではあります。といっても管を変えても味付けが変わる程度で、基本的キャラクターまでガラッと変わるということはないでしょう。(管もWEにしたから同じアンプでも途端に良い音になるということはありません。)
 何といってもこのアンプの特徴は音が前に出てくることです。といっても音が荒いということではありません。機会があったら是非この音を音響の良い部屋で聴いていただきたいです。(ある程度響く部屋で聴かれた方が良さが引き立つと思います。この前のオーディオフェアの時は部屋にたくさんの人が入っていて全然音が響かず、良さはあまり引き出されませんでした。)私の部屋ではその時とは全然違う音が響いています。

 実は今朝スリッパの泣き声が聞こえたので起きてみたら、なんとスリッパがキッチンに閉じこめられていました。昨日寝る時にスリッパがキッチンにいることに気がつかないでドアを閉めてしまったようです。スリッパは怒っていたようで段ボールで爪研ぎをしていました。今はスリッパはお母様のベッドのところで幸せそうに寝ています。


10.3

 今日はホールでNHK音楽祭の練習でした。私自身はこの2日の練習を通してもどうもヤングさんのテンポの取り方がつかめませんでした。歌の伴奏の時など予備動作なく突然振られるので慌てて弾くという感じです。どの曲でも独特の間の取り方をされていてなかなか面白いし効果的だとは思います。また速い曲は追いかけるのが大変です。
 明日あさってと本番が続きますが、この手の演奏会はとても長丁場になりそうです。(多分曲の間に語りが入るのでしょうから、長くなるのは必死です。そのために夜6時開演だったりして..........それはないですね。)開演時間が明日は夜6時、あさっては午後3時です。N響の演奏会に慣れている方には馴染みのない時間ですから、くれぐれもご注意を。

 今日家に帰ったらサンバレーからSV91Bが送られてきていました。家でジックリ時間をかけて聴いて欲しいということで、早速2時間ほど色々のソースで楽しませてもらいました。

 後ろが普段聴いているSV-501 SE、前が今回送られてきたSV91Bです。早速コードをつないで音を出してみました。最初に鳴らしたのはオイストラフの小品集でした。それからオーケストラ、ピアノ、それもCD、レコードと色々聴いてみました。特にオーケストラの曲の時は普段のSV-501につなぎ直したりして聴き較べてみました。このアンプは最初は幾分気難しいのかなと思ったのですが、しばらく聴いていくうちに音が馴染んできました。
 私の印象を言うとこのアンプの力量感はすごいもので、シングルアンプとは思えないようなところがあります。帯域のバランスも良く、特に音の立ち上がりはとても良いです。ちょっと部屋に入ってきた理恵子の反応は「ホールで聴いているような音だね。」というものでした。音楽の骨格をハッキリと音にしてくれているのは感激です。
  ただ音色の変化という意味では501の方が巾は大きいです。勿論91Bは501とは違うやり方で楽器による音色の違いはちゃんと弾きだしています。また低域の出方は91Bの方が出ています。逆に高域の抜けは501の方に一日の長があるようです。(だから音色の変化をよく描き出しているのでしょう。)つなぎ直して聴いてどちらもその良さを発揮していて、どちらも充分音楽を楽しめます。もともと501と91Bは狙っている音がまるで違うし、値段はほぼ倍違います。同じ土俵で較べるのは間違いでしょう。どちらのアンプもそれぞれの価格帯ではとてもお買い得です。


10.2

 演奏旅行から戻って身体を休めた実感もないまま4日5日のNHK音楽祭の練習が始まりました。指揮者シモーネ・ヤングさんで、この前指揮されたのは6年前だと練習が始まる時に言われていました。曲数は全部で13曲ありとても盛りだくさんですが、ウィリアム・テル序曲から練習しました。とにかく曲数が多いので深追いしている暇もないので練習は要領良く進みましたが、所定の練習時間一杯かかりました。全体に颯爽とした雰囲気を演出したいようで、テンポがとても速めです。曲によると普通に演奏されるのの倍とは言わないにしても、5割増くらいのテンポです。特にドン・ジョヴァンニの序曲はファーストがちゃんと弾けないような速さです。 とても自由な感じに弾かせたいようで、曲によってはとても面白い雰囲気です。
 明日の練習はNHKホールで行われます。音楽祭の会場で進行まで含めて練習するのでしょう。NHKに行くのは普段ゲネプロの時で11:00からなので、10:00から練習というのはペースが作れなくてどうも私は馴染めません。まず朝食の具合が良くないのです。といっても仕方ないので、いつもの練習の時と同じ時間に家を出ます。

 N響の若い女性ヴァイオリニストがYさんにエレキットのTU-870を借りてとても感激していました。理恵子のサブシステムのようにEntry Sと組み合わせるのを奨めました。今までは小さいコンポで聴いていたそうですが、音の違いにビックリしたそうです。
 今日は理恵子が出かけているので久し振りにメインシステムで曲を聴こうと思っています。明日は1つ楽しみなことがあるので、今から明日の帰りを首を長くして待っています。


10.1

 今日は朝から歯医者さんに行った後、健康診断を受けに渋谷に行き、それから練習所に行って楽器と衣装を取ってきました。アッという間に一日が過ぎてしまい、気がついたらもう夜も更けていました。
 近くの歯医者さんに行き虫歯の治療と歯の矯正をやっていますが、前歯の高さの調整をしてもらったらヴァイオリンを弾くのが楽になりました。歯の治療くらいやっても大した事はないだろうとたかをくくっていた私ですが、いささかビックリしました。勿論歯を治しただけで弾けるようになるわけではありませんが、それが良い切掛けになることは確かです。
 東京だと夜何時でも食べるところは開いていますが、地方に行くと夜9時になるとどんどん店が閉まってしまいます。それに飲み屋街もいささか寂しいのです。店に入っても何となく静かで今一息盛り上がりません。今ではどこでもJRを使うのは学生だけになってしまい、昼間は皆車で移動していてJRなど頼りにしていません。ですから国道沿いのショッピングセンターはすごく流行っていますが、駅前の昔ながらの商店街はどこも閑古鳥が鳴いています。駅前の商店街は歯がかけるように少しずつ閉店していっています。JRが庶民の足にならずに金儲けのために特急ばかりを大切にしてから、皆がJRを頼りにしなくなってしまったのです。今となってはJRが生活のための移動手段になるということは期待できません。現に私も今回の旅行では岡山へと出雲からの時に飛行機を使う以外は全て車で動きました。特急を待っているくらいならレンタカーで動いた方がずっと自由が利くからです。(新幹線のある名古屋→自宅の移動でも車でほぼ新幹線と同じ時間で帰れました。在来線だったら車で高速を走る方がはるかに速いです。)といっても九州とか北海道だとさすがに車で行くのは大変です。そうなると飛行機で行って現地はレンタカーということが多くなります。
 私達の年代はJRはとても頼りになる存在だと思っていましたし、演奏旅行というとJRという頭が強いです。でも時が経つにつれてJRの有難みはどんどん薄れていきます。(大都市近郊の電車が走る区間では今はたしかに鉄道の存在価値はとても大きいです。でも時間が自由にならない上に窮屈だということになったら事情は変わってしまうでしょう。)

 理恵子が今月の後半にはポーランドに向けて旅立つので、色々やることがあります。銀行での送金の方法とか、インターネットへの接続とか気になることは山のようにあります。引っ越しのための荷物作りも大変です。

 明日からはシモーネ・ヤングさんの指揮でNHK音楽祭の練習です。次の金沢・奈良の演奏旅行もヤングさんの指揮です。(私はこの演奏旅行は降り番です。)


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