ひとりごと2003年2月分  


このページは私の日記のようなものです。私の感じること、周りで起こったことを書きます。


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栄子先生のピアノ教室プロフィールひとりごとも是非ご覧下さい。


2.28

 午前中にフィットペダルを某先生のところに持っていったあと家に帰ったら、楽しみにしていたSvetlanaの6BM8が届いていました。早速管を入れ替えて音を聴いてみました。もともとのEIの管もSvetlanaもエージングが済んでいないので今の時点での印象ですが、もともとのEIの6BM8は地味な音に聞こえます。Svetlanaは幾分硬質ながら、音から音へのつながりはEIよりは良いです。(EIの管は音色の変化があまり出てこない感じです。それにSvetlanaの方が帯域が広い感じです。)Svetlanaの管は300Bの場合もそうでしたが、最初から他のメーカーに較べれば柔らかい音がしています。少ししか聴いていませんが、Svetlanaの方がずっと好印象です。もっとも聞いた話ではこの点については人によって意見がマチマチだそうで、EIでも充分という人もいれば絶対に他の管に替えないとダメという人もいるそうです。私の印象は替えた方が良いと思うが、そのままでもそれなりには楽しめるという感じです。Yさんはこのアンプでもムラードの管にすると最高だとのことでしたが、私はこのアンプだったらそこまでお金をかけなくても充分だと思いました。最後に普段聴いている300Bのアンプ(サンバレーのSV-501i)に戻したら表現力はさすがに300Bの方が上でした。(6BQ5のアンプでも同様のことを感じました。防熱型の多極管と直熱型の3極管の性格の違いなのでしょう。6BM8や6BQ5のシングルアンプはちょっと硬質ながら、クッキリとした音を聴かせてくれてなかなか魅力的です。でも私は直熱3極管の音の方が好きです。)このエレキットのTU-870は本当にコストパフォーマンス最高のすごいアンプです。(2万円しないでこの音ですから。)
 私が真空管アンプにはまった元凶を聴いて、感激を新たにしました。スピーカーの能率が良ければこの程度の出力でも充分です。細かいことを言えばたしかに色々気になることはあります。でも近くでそれほど大きくない音で音楽を楽しむなら、これで充分です。


2.27

 今日は午後になって時間が出来たので、前々から作ろうと思っていたエレキットのTU-870を作りました。所要時間はほぼ6時間くらいでした。全体的には作りやすいですが、部分的に細かい所はかなりやりにくかったです。

 作るのに手間どり音は試しに出してみただけですが、なかなか良い音がしています。音を聴いたのはALR JordanのEntry Sです。出力トランスの大きさなどを見るとこれで大丈夫かなと思いますが、見かけよりはずっとマトモな音です。これとEntry Sの組み合わせは場所をとらないくせに、なかなかコスト・パフォーマンスが高いです。今日はもう遅いので(今午前2時です。)アンプを作ったことだけご報告しました。


2.26

 結局今日も野暮用に忙殺された一日でした。今は全てがコンピューター化されていますが、使う人間が使い切れないとこんなに不便なものはありません。せっかくコンピューター入力を選んでいても、それを入力する人の不注意で結局やり直しをしなければいけなくなり、何度も同じことをさせられることになりました。この手の話はどこでも起こっているのでしょうが、こういう時間の無駄が社会的に全然問題にならないのはとても不思議です。オンライン化が全然効率化に役立っていないのはどういうことなのでしょう。どこもオンライン化するのに金がかかるということで負担を強いているにもかかわらず、実際は全然効率は上がっていかないのです。それに「それはコンピューターが受け付けないのです。」という言い訳がどんどん通るようになっています。本当に腹の立つ世の中になってきています。

 今日はフィットペダルの申し込み受付を開始することになりました。このフィットペダルというのは理恵子が小さい頃の痛い経験を活かしたもので、栄子先生の汗と努力の結晶なのです。栄子先生も書いた通り理恵子が小さい時にこのようなものがあったら良かったなというのが実感です。
 このペダルの注文を受けて下さるドンナハウスは、私の家を造っていただいたところです。もともとは北米の輸入住宅が専門でしたが、今ではアメリカ住宅・英国住宅・南欧プロバンス住宅と守備範囲がとても広がっています。私の家で防音を手がけられたことや社長さんのお嬢さんがピアノを弾かれることもあって、防音については経験がおありです。輸入住宅は標準仕様でかなりの防音性能が期待できます。特に2重ガラスの窓はとても快適で、遮音だけでなく断熱効果もかなりあります。(実際はむしろこの逆で、断熱効果が上がるようでなければ遮音など期待できません。)居住性と音の面を両立させるのには輸入住宅というのは良い選択肢だと思います。室内の音の響きの良さも私の家の自慢の1つです。ステレオを聴いてもヴァイオリンを弾いてもなかなか良い響きが聴けるのです。床がしっかりしていることがその原因だと私は思っています。


2.25

 今日も朝から色々用事があり、アッという間に夜になってしまいました。ちゃんと片付けられた用事と、懸案のまま残ってしまった用事と半々ですが、これでほぼこの休みに果たすべき用事は終わりました。

 今度のN響の演目ジークフリートはとにかく長大な曲なので、とても大変です。練習所での練習が5日、NHKの509スタジオでの練習が3日、新国での練習が5日、ゲネプロが2日(ダブルキャストですから)、本番が6日というスケジュールです。今までオペラといってもここまで長期にわたるものはありませんでした。来年の「神々の黄昏」も含めてとても良い経験ではありますが、大変です。
 こういう曲をDVDで見るためには大型のプラズマテレビや液晶テレビが欲しいです。(James Levine指揮のメトロポリタン歌劇場管弦楽団の演奏するジークフリートのDVDを持っています。今はiMacの17インチのディスプレーで再生しながら楽しんでいます。)1階のレッスン室を作った時からの念願ではあるのですが、まだまだ50万近くするので手が出ません。(それにディスプレーとスピーカーの置き方がうまくいきません。)N響でもYさんなど最近プラズマテレビを買ったそうです。レッスンの時に生徒にビデオを大きな画面で見せられると、自分の実際の弾き方が見せられてとても良いです。自分自身のためにもとても役に立ちそうです。


2.24

 今朝からとても色々のことがあり、アッという間に一日が終わってしまいました。午前中にフィットペダルの話が家であり、昼休みまでには練習所に行かなければなりませんでした。その後練習終了後ヴァイオリンとヴィオラのオーディションがありました。その後更に1つ会議があり、結局家に帰ったのは7時半を過ぎていました。N響は明日から大阪、徳島、松山への演奏旅行に出かけます。実は松山に行けることを楽しみにしていたのですが、急遽降り番になってしまいました。明日2つ用事を済ませて、やっと休みを味わえます。(この前の定期は降り番でしたが、それらしい休息はありませんでした。)

 今日は11時頃家を出た時に既にみぞれでしたし、6時過ぎに練習所を出た時もみぞれでした。でも道に積もることはなかったので救われました。今日は渋滞はかなりひどく、行きも帰りも順調な時の倍くらいかかってしまいました。特に帰りはウンザリしました。

 おととい録音してうまくいかなかったショパンだけ、今日再度録音しました。今日は普段弾き慣れたメーカーのピアノなので、全然違和感を感じずに録音できたそうです。この前録音したテープを聴くと、発音の微妙なタイミングがちょっと外れているのです。やはり今日のピアノの方がはるかに上品な音が出ていました。試弾した人は皆その点を指摘しているはずなのに、それをどう取り上げたら良いのか分からないのでしょう。音に関する事は数値化しにくいので、数値化できる部分だけを対象にして研究しているとしか思えません。人間感覚はある面測定器械よりはるかに精密です。例えば音だけを聴いて、これは誰の演奏だということを人間は聞き分けられますが、器械はそういうわけには行きません。人間の感覚はある面とてもいい加減ではありますが、逆の面から見るとどんな器械でも追いつかない判別力を持っています。
 これ以上いくら言っても同じことの繰り返しになるのでもう止めますが、ステレオも楽器ももっと人間の感覚を大事にして欲しいです。(だから結局国産ではなく、ヨーロッパの製品を買うことになってしまうのです。もっともヨーロッパの製品が全部良いというわけではもちろんありません。日本のマーケットに迎合した製品もたくさんありますから。)


2.23

 今日は朝から毎年今ごろの年中行事に時間を使わされました。結局夕方レッスンが始まるまでそれに一日費やされ、夕食後少し練習できました。練習というのは毎日最後には出来るようになるのですが、演奏は最初の1回目が勝負なのです。こうやってしばらく練習していると、最初から出来るようになってきます。そうなるまで根気よく練習しないといけないのです。出来ないと思うとそこに来る前から体が硬くなって気負って行くのが自分でも分かります。生徒に言うのと同じ練習をやっている今日この頃です。

 明日あさってと用事が済めばやっと休みが来ます。そうしたらいよいよ楽しみのエレキットTU-870を作ろうと思っています。おととしに真空管アンプにはまった原因を作ったアンプです。今それを聴いたらどう感じるのか自分でもとても興味があります。
 ステレオについて後やってみたいことはフロア型のスピーカーを手に入れることです。昔は魅力のあるフロア型がたくさんあり、候補を決めるのにも一苦労したものです。ところが今ではほとんどがトールボーイで、フロア型のスピーカーは数えるほどしかありません。その中でも実際に手が出る程度のものは極く少数です。アンプ作りもやってみたいのですが、お金と手間を考えると尻込みしてしまいます。
 3月はジークフリートと生徒の発表会、4月はヨーロッパ旅行とN響の方のスケジュールが立て込んでいるので、いかんともしがたい状況です。


2.22

 今日家の普段弾いているピアノで昨日散々苦労したショパンを弾いているのを聴いたら、ちゃんと思ったようなニュアンスがついて弾けていました。昨日たった2分足らずのショパンの曲を録音するのに3時間近く悪戦苦闘したのは、やはりピアノのせいでした。弱音できれいに弾こうとしても、アクションがちゃんと反応してくれないのです。昨日のピアノのメーカーもそれぞれの症状に対する対症療法の知識は充分持っていると思います。でもそれをどうまとめるかという部分になると、メーカー間の格差はとても大きくあるとしか言えません。人の感性で感じるものをもっと真面目に受け止めて欲しいものです。

 楽器でもステレオでも同じようなことが起こっていて、全てのことを技術的に解決しようというやり方に原因があると私は思っています。楽器が奏でるのは音楽なのです。もちろん音楽も音響ですから、物理法則に支配されています。ですから物理法則に反したことが起きるわけでないことは認めます。でもそれを技術的に解明すれば全てが分かると思っているところに原因があるのです。アナログを完全にトレースするなら、フーリエ解析する時に∞の項までとらなければいけないでしょう。それが出来ないからある項までで止めているわけですから最初から完全にアナログ信号をトレースできていないのは自明なのです。私も物理出身ですから、全てが技術的に解明できて欲しいとは思いますが、芸術の世界の出来事は技術では全ては解明できません。絵画の色調だってディジタルで全てが再現出るわけではないでしょう。1000万色が表現できても、それで今までの大家の絵が全て表現できるという保証などありますか?音だって32bitだろうが64bitだろうが所詮はそこまでしか表現できないのです。連続的変化にはもともと対応しきれないのです。
  それに録音という作業そのものがアナログなのです。レベル調整に全体のバランスをとることまで含めて人間がやっているのですから、所詮はディジタルと言っても根本的な部分をアナログ的人間の感覚に頼っているのです。良い録音というのはディレクターの耳というアナログ器械に頼っているのです。最後の調味料は人間です。
 私が言いたいのは技術論というのは物事の解明にすごく助けにはなると思いますが、それが全てではないということです。大体技術者自身が自分のやった仕事をディジタルに評価されたらきっと文句を言うでしょう。だったら人のやっている音楽をディジタルで全てとれるなどとは思わないで欲しいです。ディジタルというのはもともと物事を簡単に理解するための便利な方法なのであって、それで全てが理解できるための魔法の方法ではないのです。ディジタルは物事をサンプリング周波数に合わせて離散的にデータを集めているだけなのですから。もちろん出来の悪いアナログよりははるかにディジタルの方が良いですが、良く出来たアナログに勝つのはそう簡単なことではないのです。そうでなければとっくの昔に芸術は滅びているはずです。(楽器についても意味合いは違いますが、同じことが言えるようです。それを使う人間の指と耳をもっと信じて大切にして欲しいものです。弾く側は自分の要求に応えてくれものしか使いません。)


2.21

 今日はピアノの演奏の録音と録画をしました。ハイドンとショパンを録ったのですが、ハイドンはともかくショパンはピアノの反応が悪くて、出だしのsotto voceの部分がカバが口を開けているような大きな締まらない音しかしないのです。調律の方は一生懸命やって下さるのですが、あまり変化はありませんでした。やはり基本的なピアノの性能が演奏に大きな影響を与えています。ショパンの出だしの部分などピアノがちゃんと弱音が出ないと、ppの部分でもmpぐらいで弾かないと全ての音が分離しないのです。楽器の管理の問題もあるにはありますが、しばらく弾くとそのピアノの基本的な性能がハッキリ浮き上がってきます。少々鳴りが悪いと思っても条件を整えると音が出てくるピアノと、最初は軽く音が出るような感じがしても全然ニュアンスの無いピアノの違いは大きいです。私の家にはヤマハ、スタインウェー、ベーゼンドルファーと3種類がありますが、それぞれのメーカーの音がありとても面白いです。

 今日は行きは道が空いていたので30分ほどで着きましたが、帰りは夕方のラッシュの中を1時間で帰らなければいけないので必死だったのですが、結果的には40分ほどで帰ることが出来ました。カーナビの情報と道路の情報板の両方を参考にしたのですが、カーナビがこういう速い道を教えてくれるようになればうれしいです。もっとも皆がそういう道に集中したら渋滞してしまうので、簡単にこういう道が表示されない方が良いのかもしれません。道を知っている所なら何とでもなりますが、初めて行く所だとカーナビの言うことを聞くしか方法が無いので文句も言いたくなるというものです。


2.20

 今日も午後から用事があって練習所に行きました。今日は20日のせいか道はかなり混んでいました。

 私はここ2年位パソコンのハードは全然新しくしなかったので気がつかなかったのですが、この間にハードはとても進歩していました。PowrMacG4を買ってから2年間ハードは目立った進歩がないだろうと思って手を出さなかったのです。ですが昨年の年末にiMacとPowerbookG4を買ってみたらどちらも素晴らしく変身していました。パソコンの世界は消費者の要求をフィードバックさせてそれをちゃんと結実させていました。 ステレオの世界でも同じように何が大切なのかということを求めて新しい動きが出てきています。
 今は入門モデルでもそこそこのパフォーマンスを持っていて、犠牲にしている部分を割り切れるなら安い物の方が割り切っているだけお買い得だというご時世になっています。(私の使い方だとPowerMacよりiMacの方が拡張スロットが無くても良ければ安くて使いやすいです。)消費者も色々の試行錯誤の末割り切ることが必要だということが分かってきました。どこも生き残りをかけていろいろな試みをしていますが、消費者は段々イメージに左右されないで実質を取るようになっています。ステレオでも今ではイメージ戦略は通用しないのです。それにこのご時世ですから、誰でもコスト・パフォーマンスの意識は強く持っています。
 ですからすごく高いかすごく安いかの2極化がすごく進んでいます。それによって中間的な製品がどれも苦戦を強いられています。これによって例えばごく普通のオーディオファンの存在が段々難しくなっています。「0が1つ多いんじゃない?」というような高価な物を買えない極く普通のファンが買えるような物がどんどん無くなっています。(そのおかげで私はちょうど良いステレオが見つからなくて困っているのです。)
 ヴァイオリンについても同じことが言えて、昔は何が何でもイタリア製が良いといわれていましたが、今ではそんなことを言う人はいません。1つにはイタリア製が高価になりすぎて、商売の出来る範囲の値段ではなくなってきているからです。イタリア製の枯れた音でないとダメということは私が学生の頃は盛んに言われていましたが、今ではそんな楽器は何千万という世界で、普通の人が手を出せない領域に行ってしまっています。そうなると名前だけイタリア製(イタリアで作られてはいるが音はあまり良くない物)というものはどんどん敬遠されます。実質を取って値段相応の良い物を、どこで作られているかには関係なく買うというように変わってきています。私達が普段使うレベルの楽器でも下手をするとブランドを取ると何百万という単位で余計な金がかかります。ですから私は生徒には実質本位で楽器を紹介しています。これはピアノの世界も全く同じです。
  逆にどの分野でもパフォーマンスを大事する人は良い物はものすごくお金がかかるので、どれをとるかの判断基準はどんどん厳しくなっています。結局中身で勝負ということでしょう。


2.19

 今まで使っていなかった古いMacを取っておいたのですが、とうとう昨日処分しました。PowerMac8500とプリンタ、ディスプレー2つを大型ごみで処分しました。PowerMacは今の機種にはフロッピードライブがないので、今まで捨てられなかったのです。ですが2HDならUSBのフロッピードライブで読めますし(Macの2DDフォーマットは2DDが読めるドライブでも読めません。)、今となっては2DDのフロッピーで供給されるソフトもありません。(まだ1台化石のようなプリンタがありますが、これは次の機会に処分します。)
 こうなってみるとSCSIのHDDやMOのドライブも今更必要ありません。PowerMacG4にはSCSIのボードは載せているのですが、FireWireのHDDやMOを持っていると今更扱いの悪いSCSI機器は必要ありません。(SCSIはつなぐ時には一度電源を落とさないといけません。FireWireはいつでもつなげば良いわけですから使い勝手はまるで違います。)使えないわけではありませんが、使う理由がないのでこちらも処分します。
 2〜3年前にUSBやFireWireが出た頃は持っているSCSI機器を活かそうと色々画策しましたが、今となっては当然SCSI機器は1つも使っていません。


2.18

 音楽を聴かれる方は演奏する者はステレオに『原音に忠実で歪みと色付けのない音』を要求していると思っていらっしゃるようです。たしかにある程度までは歪みがなく色付けがないことを要求していますが、自分の音の聴き方を振り返って歪みや色付けを完全に排除した音を求めているのかというと、そうではないような気がします。
  前にも書いた通り私は音を聴いているのではなく、音楽を聴いているのです。更に言うと音楽を通して演奏している人の感性をのぞいているのです。そうなってくると煎じ詰めるとステレオの特性などどうでも良くなってしまうのです。でも私は技術的な事に興味がありますし特にステレオの姿がたまらなく好きなので、ステレオ自体には大変興味があります。でも家にある4種類のステレオのどれでもそれなりに音楽を楽しめてしまうのです。私にとってステレオはどういう存在なのでしょう?(もちろんそれぞれのステレオの違いは分かりますし、好みはハッキリあります。でもどれでもそれなりに楽しめてしまうのです。)
 同じようなことはヴァイオリンでも経験しました。おととしの末にサブのヴァイオリンを買うまで私は1台しか自分の楽器を持って居ませんでした。ですがサブの楽器を持つようになってから、どちらの楽器ででもそれなり弾くことを楽しめるようになりました。値段で言えば何倍もの差がある2台の楽器ですが、サブの楽器もそれなりに鳴らせるようになり、それなりに楽しめるようになっていくものです。1つしか持っていない時は楽器に対して思い入れが強すぎて、弾き方まで無理をしていました。ですが2台の楽器を持ち、それぞれの個性に触れるようになって自分の感性が変わり、自分の弾き方も変わりました。
 ですから私は他の演奏家にも2つ以上のステレオを持ってどちらも同じように聴いてみて欲しいのです。そうすることによって、ステレオを替えると変わるものと替えても変わらないものが見えてきます。そのステレオを替えても変わらないものがその演奏家の個性なのです。(場合によるとステレオを替えるとまるで違う曲に聞こえることもあり、これこそがステレオの楽しみなのだなと思うこともあります。)

 私のサブの楽器はN響で弾いたらとても短時間のうちに音が馴染み、楽器屋さんもビックリしていました。同じようなことは家のスピーカーにも言えるのかもしれません。どの部屋ででも誰かが楽器を弾くので、私の家のスピーカーはその音に反応して早くエージングが出来るのかもしれません。
 今日は自分の部屋でブレンデルのハイドンのソナタとワイセンベルクのスカルラッティを聴いている私でした。


2.17

 今日は珍しくレッスンはなかったのですが、送金などの用事がたくさんあり気がついたら夕方になっていました。N響が降り番で休みになっても大体はこの調子で休みが終わってしまいます。N響に行っている時の方が楽だという人がたくさんいます。

 私の部屋のステレオで色々のヴァイオリニストの演奏を聴いていると、雑誌などで評判の高い人でも音が薄く大したことなく聞こえたり、その逆に世の中では評価されていないけれどとても良い演奏をする人が居たりでとても面白いです。ある演奏家を聴く時に大体は雑誌などの予備知識を吹き込まれてから聴くので、多分こんな音なのだろうと勝手に思い込んで聴くようになってしまうのです。ですからちゃんと音も聴かずに書いた感想が独り歩きすると、本当に音楽的で上手い人が埋もれていってしまうこともあります。これもその演奏家の持って生まれた運なのですが、聴く側から言うと大損失ということもあります。

 今栄子先生はフィットペダルとボードをどのような形で販売するのが良いのか最後の駄目押しをしています。どうするのが使う人にとって良いのか悩んでいるようです。多分3月初めから発売できると思います。ご期待下さい。(多分今日はそのためにひとりごとの更新は出来ないと思います。)


2.16

 今日は名曲アルバムの収録で、指揮は高関健さんでした。ちなみに昨日指揮者は松尾葉子さんでした。3曲収録しましたが、思いの外早く終わりました。実は明日は栄子先生の誕生日なのでその後東急本店にプレゼントを買いに行きました。1日早いのですが今日渡してしまいました。

 帰りがけに秋葉原によってダイアテックというところから出たPowerbookの電源アダプターの新しい物を買いました。大きさは純正のものとそれほど違いませんが、値段がかなり安いので予備に1つ買いました。去年の暮れからのPowerbookの電源アダプターは65Wになったので、従来のサードパーティーの物は使えなくなってしまいました。願わくは強化型のバッテリーが出ることです。
 その後少しスピーカーの聴き較べをしました。Lowther、GoodmanのAXIOM80、古い型のStirlingです。皆それぞれに個性があって面白いです。その店ではLowtherが一番鳴らす機会が多いので、どうしてもLowtherが一番馴染んで魅力的に聞こえます。どうしても好きなもので聴く機会が多くなるので、必然的に好きなものほどエージングが進むというものです。

 今一生懸命ホームページを書いていると、スリッパが机の上に乗ってすり寄ってくるのです。頭を撫でて欲しいという仕草をします。夜になってレッスン室で音楽を聴く習慣が復活したら、スリッパも私の隣で聴きながら寝入ってしまいます。


2.15

 今日はNHKの特集南極のための録音でした。3曲録ったのですがての曲がソロの付いているものでした。予定より1時間近く早く終わりましたが、土曜日は今度の発表会のアンサンブルの練習があるのでちょうど良い時間でした。
 連弾や連弾+ヴァイオリンというような編成のアンサンブルなのですが、皆とてもうれしそうに弾き始めます。1組15分の予定なのですが、どの組も15分では全然足りません。その後ヴァイオリンのレッスンがありましたが、一緒にテンポ通りに弾いてあわてなくて良い事を感じさせました。この感じを次のレッスンまで忘れないでくれると良いのですが、なかなかそう簡単には行かないものです。でも何回かこれを根気よく続けたら意味が分かってくれるだろうと思います。

 今日先ほど書いたレッスンの時に3種類のCDとレコードを聴かせたのですが、印象は私とは正反対でした。私が一番好きな演奏を最初にはねてしまったのです。これくらい演奏の評価というのは難しいものです。今とても有名なピアニストの「夜のガスパール」を聴いていますが、私はどうもこの演奏が好きになれません。他のCDを聴いてみてどう感じるのかこれからやってみようと思っているところです。
 今CDを替えてみたらテンポがまるで違い、全然違う曲のように感じます。同じ水の精でもこれだけ違うと言い様がありません。人によって大切にするものが違うので、同じ曲でも弾く人によって切り口がまるで違ってしまうのでしょう。私は個人的にはスピードより音色を大事にする人の方が好きです。


2.14

 実は昨日の夜ホームページをアップロードしてから、ひとりごとの写真がちゃんと表示されないようになってしまいました。「メモリーが足らないので表示できませんでした。」というエラーメッセージが出るのでそれを鵜呑みにしてメモリーを解放するように色々やったのですが、ダメでした。結局もう一度OSを入れ直してみたのですが、同じエラーが出てしまいます。ひょっとするとホームページをもう一度アップロードし直せば良いのかなと思い、試しにやってみたら全てが解決しました。結局OSを入れ直す必要などなかったのでした。結局寝たのは午前4時ちょっと前でした。
 コンピューターの出すエラーメッセージはあまり信用できないことは充分承知していますが、さすがに今回は騙されてしまいました。

 そのために目が覚めたのは10時ごろで、それから慌てて色々の用事を済ませました。アッという間に夜になってしまいました。明日はNHKで録音があるのでゲネプロの時とほぼ同じ時間に家を出ます。

 この前久し振りにレッスン室のステレオを聴いてから、あまりの音の変化にビックリして出来るだけ聴くようにしています。その甲斐もあって今日この前と同じフランチェスカッティのスペイン交響曲を聴いているのですが、この前とは違ってかなり充実した音がしています。やはりスピーカーは楽器だなとあらためて実感しました。
 DevonもRogersもその音はとても気に入っているのですが、強いて言うとTANNOYの音に親近感を覚えます。早いうちに合板でない木のエンクロージャーのスピーカーを手に入れておきたいです。(どんどんトールボーイになり、合板のエンクロージャーばかりになるのでとても心配です。)Turnberryの音は従来のTANNOYとはかなり違うので、Stirlingしか候補はありません。オーケストラを聴くのだったらTurnberryの方が良いのではないかという話もあるのですが、普段はそれほどボリュームを上げないので小さくても充分だと思います。Rogersでもオーケストラを聴いて特に不満は感じませんから、あえて大きなスピーカーにする必要はないです。
 スピーカーから出る音というのは絶対に生の音とは違います。どんなに頑張っても生の音の伸びにははるかに及ばないのです。セットで400万位のスピーカーを聴いてもハッキリ生音とは違います。Strad1台でもちょっと良い物なら今では1億を軽く超えます。その音が400万位のスピーカーで出るのだったら生の楽器の意味がないことになります。ちょっと良いオーケストラだったら全体で何十億という楽器を使っているのです。それが1000万に満たないステレオで表現できるわけがないのです。
 ステレオから良い音を出したいのだったら、生の音をたくさん聴いた方が良いと最近つくづく思います。オケがどういう音を出しているかが分からないのに、ステレオの音の調整など出来るはずがないからです。音楽の一番の要は音の生命力です。音の芯になる中域をちゃんと再生できないスピーカーはいくら広帯域でも意味がありません。また定位や分解力が大事なのではありません。だからこそCDではなくアナログのレコードが評価されるのです。音楽は生命の賛歌なのですから、細かいことより聴いて「明日からまた頑張ろう!」という気にさせてくれればそれで良いのです。弾く方もその事が一番の主眼なのですから。
 ヴァイオリンの場合500〜600万位の物と3000万クラスの楽器では、出てくる音は次元が違います。更にトップクラスの楽器になるとこれまた1クラスも2クラスも違うものです。でも演奏を聴くと一番違うのは弾き手です。名手が弾くと仮に500万クラスの楽器でも、Stradに近い音が出るのです。普段Stradを弾いている人だと安い楽器でも良い音を出せるのですが、そのクラスの楽器しか弾いたことのない人だとそれ相応の音しか出せないものです。(ピアノでも同じことが言えて、普段Sを弾いている人は仮にYを弾いてもSに近い音を出せます。でも普段Yしか弾いていない人はSにあたると音の出し方が分からず、四苦八苦します。そういえばBも独特な楽器で慣れていないと扱いに困るそうです。)ステレオも同じことが言えます。持ち主が音が分かるか分からないかで出てくる音は決まってしまいます。まずはご家族を納得させられる音を出すことから始めることです。


2.13

 今日はB定期2日目でした。全体の印象は昨日と変わりありませんが、出来は昨日の方がよりまとまっていたようです。私には前半の2曲がともに音量とテンポがもう少し落ちついて欲しい感じがありました。先生は本番では奥様が亡くなられたことなど全然感じさせないようなハイテンションでした。そうやってご自分を支えていらっしゃるのでしょう。先生の奥様はいつも演奏会の印象を先生に話されていたようで、とても良いアドバイザーだということをおっしゃっていらっしゃいました。今回はどうしても先生の奥様のご逝去のことが念頭にあるので、演奏していても普段とは一味違ってしまいます。ですから今回は冷静な印象など持てません。先生にとっても特別な演奏会で一生忘れられない演奏会だったと思います。
 その事とは別に今回のニールセンは2度と弾きたくない難曲です。どうやっても頭の中に入って来ない音形のオンパレードでハッキリ言って本番の時これほど苦痛だったことは今までありません。楽屋ではこういう曲は北欧の冬に考えられた曲ではないかということを言っている人がいました。北欧の夏は白夜で夜9時でも夕方のようにしか見えませんが、逆に冬になると1日中真っ暗でその時期に作曲するとこのような曲が出来るのではないかというのです。
  私はこのホームページを始める1年前の1996年6月に2週間ほどスウェーデンに行ったことがあるのです。スウェーデンといってもストックホルムではなく、第2の都市Karlstadに行ったのです。実はこの時にスウェーデンの情報を得るためにインターネットを始めたのです。本を見てもこのKarlstadについてはほとんど書いてないので、インターネットでスウェーデンの人のホームページを探して色々情報を聞いて回ったのです。
 その時は夏だったので白夜のシーズンで暗くなるのはほんの何時間でした。夜9時といっても外は日本でいえば夕方のようにしか見えません。このころはモバイルなど考えられない時代で、私もPowerbookなど持っていませんでした。それでもこの時にはホテルの部屋にはモデム用のアメリカ型のジャックがありました。この時にPowerbookを持っていたら通信が出来たことになります。といってもこの時はパソコン=デスクトップという頭しかない私でしたから仕方なかったのですが。
 北欧の作曲家というのはこういう環境のせいか年をとるに従っていささか風変わりな曲を残していくものです。シベリウスも後年になるほど曲は難解になっていきます。ブロムシュテット先生はニールセンがとてもお気に入りで、今までもニールセンの曲を取り上げていらっしゃいます。表面的には面白いと感じるのですが、ずっとそれを弾き込んで行くとどんどんその曲が分からなくなって行ってしまうのです。特にこの救いようのない暗さに平行してしまいます。

 今回の定期はいろいろな話からこのホームページを始める前からのことまで思い起こさせる良い機会となりました。


2.12

 10日からホームページの表示が出来ないような状態が続いていたのですが、今日プロバイダに解決してもらいました。(どうやっても自分のホームページが読めないので、更新は2日間諦めていました。)その間にN響の方はいろいろな事件が起こっていました。何と言っても最大の事件は指揮者ブロムシュテット先生の奥様が先週の土曜日にルツェルンで亡くなられたことです。昨日の練習が始まる前に全員が起立して黙祷を捧げました。奥様は音楽、日本、そしてN響をとても愛して下さっていらっしゃったとのことで、先生が指揮された演奏会は全て聴かれていたそうです。先生は奥様が亡くなられたことをメンバーに動揺を与えるので知らせないで欲しいとおっしゃっていたそうです。練習の時は全然そのようなことを感じさせない普段通りの練習でした。
 黙祷の後先生がお話をされましたが、先生が初来日の練習の時にメンバーが全員黒服を着ていたことを思い出すとのことでした。この時は本番の最中に亡くなられたファゴット奏者のお葬式がその日にあったからです。お話の最中の先生を見ているととてもお気の毒で、何ともいいようのない気持ちになりました。
 今日の演奏会の1曲目モーツァルトの交響曲第24番を奥様に捧げて演奏しました。今日の本番も普段通りに指揮されていました。でも控室では先生はとても悲しまれていたという話を聞きました。

 今日の本番は何といっても後半のニールセンが難曲です。いくらゆっくり練習しても歯が立たないところが何ヶ所かあるというような難曲で、本番の時はそれなりに何とか弾けはしましたが自分としてはとても納得できない出来でした。今までN響でいろいろ難曲を弾きましたが、今回のニールセンの6番ほど難しい曲はありません。この曲の難しさは、調性を捨てている曲なので臨時記号の読み間違いがとても多くなってしまうということです。普通はフラットのつく順番は決まっているのですが、この曲の場合はそれが通用しないのです。それに細かい音の連続が何度やっても頭の中に入っていかないのです。私は本番の時2ヶ所ハッキリと弾き間違いました。

 今持っているスピーカーに一応満足してはいるのですが、これで決まりかといわれるとそうとも言い切れません。一番の問題はサイズの問題です。低音が充分鳴るためにはやはり1回り大きなスピーカーが欲しいのです。トールボーイのスピーカーはかなり数を聴きましたが、どれも今一つというものばかりです。従来のエンクロージャーの方が私の好みに合います。そうなるとDevonを持っている私の場合、一番の候補はTANNOYのStirlingになります。もっとも話を聞くとエージングには2〜3年かかるそうです。(ステレオの指南役の話を聞くと、オーケストラを聴くのだったらTurnberryの方が余裕があって良いかもしれないとのことでした。でも音色をいうのだったらStirlingしかないという話です。)
 しばらくレッスン室のステレオを聴いていなかったのは前にも書きましたが、その間にRogersは鳴り切らなくなっていました。毎日少しでも音を出していないとダメなようです。やはりスピーカーは楽器なのでした。

 最後におまけを書きます。これを書きながら家にある20世紀の大ピアニストというシリーズの中からバレンボイムの弾くベートーヴェンの1番を聴いています。(指揮はクレンペラー、オーケストラはニューフィルハーモニアです。)とても豪快なゲルバーさんの演奏とは対照的な1番でした。このCDの前半にはこの前の定期でクーパーさんが弾かれたモーツァルトの25番が入っていました。


2.9

 今日のニールセンの6番は死にそうに大変な曲でした。"Sinfonia Semplice"という副題が付いていますが、「どこが単純なんだよ〜?」という譜面です。調性を捨てているだけあって音をたどって行っても、次の音にフラットが付くのか付かないのかさえ予想がつかない進行です。その上テンポが速いのでとにかく大変です。第3楽章のAdagioのテンポでさえ音を追いかけるだけでも難しいのです。次の定期のクラリネット協奏曲もこれに劣らず難しいそうです。この6番は譜面を見た人が難しいよと言うので皆それぞれに準備をしているのですが、曲の方は更にその上を行っていました。
 今日は曲がどうかを聴く余裕などなく、ひたすら自分のパートを追いかけるだけで一日終わってしまいました。皆練習が終わったらグッタリとしていて、皆言葉少なに家路についていました。

 練習が終わった後、王子ホールに発表会を聴きに行っている栄子先生を車に乗せて家に帰りました。日曜日ですから全体的には道は空いているのですが、新橋の駅前と銀座の場外馬券売り場のところだけはとても混んでいました。これ以外はとても順調であっという間に家に帰れました。(行きもとても順調でした。)
  明日もこのニールセンに1日付き合わないといけませんが、いずれにしても明日早く練習所に行って練習しないといけません。今日はとにかく疲れたので早々に寝ます。


2.8

 今日は大挙して生徒がレッスンに来ました。途中で3組のアンサンブルを見たのですが、ソロと違って皆それぞれに活き活きとうれしそうな顔をしていて、こちらまでうれしくなってしまいました。ヴァイオリン1人にピアノ連弾という形なのですが、これを通して生徒の普段見せない顔が見えてきます。生徒達同志で弾かせるとどうしてもピアノの方が思い切り弾くので、ヴァイオリンはすっかり陰に回ってしまうものです。今日も1組ピアノの子がとても元気な組み合わせがあり、ヴァイオリンの子は追いまくられてしまっていました。ピアノを少し押さえてもらいヴァイオリンに頑張ってもらってバランスがとれるようになり一安心しました。
 生徒のレッスンをしていると生徒は先生を映す鏡なのだとつくづく思います。生徒の弾き方の気になるところは自分の悪い癖だということがよくあります。子供は親の背中を見て育つといいいますが、生徒も同じです。気をつけないといけないとつくづく思いました。

 今久し振りに自分のレッスン室でレコードを聴いています。理恵子がリサイタル前に下の部屋のピアノが気に入っているので、私のレッスン室を占領されてから夜になるとリビングでステレオを聴くのが習慣になっていました。リビングのピアノのフタを開けるようになってから理恵子はリビングのピアノを気に入って弾くようになっていました。でも何となくリビングにいる機会が多く、ずっとレッスン室のステレオを聴かなかったのです。フランチェスカッティの弾くラロのスペイン交響曲を聴いているのですが、しばらく聴いていたTANNOYと較べてRogersの音がとても新鮮に聞こえます。
 ただ聴いているとフランチェスカッティはとても速く飛ばして弾いているように聞こえるのですが、実際はそれほど速く弾いてはいません。ちゃんと弾ける速さでしか弾いていません。弾けないという気持ちが強いと焦りが先にたち、難しいところほど速く弾いていたりするものです。だからゆっくり練習が大切なのです。(自分を戒めています。)


2.7

 今日は定期2日目でした。前に書いたボーイングのことについて楽屋ではドイツ流の肘を高くして構えた弾き方だとこのボーイングは良いのかも知れないという話になりました。たしかにこの構えだと譜面に書いてあるボーイングは良いのかもしれません。でもN響の人たちはほとんどこの肘が高い構えをしていないので、私たちには合わないボーイングになってしまいます。ブラームスの2楽章とかフィナーレにこのような場所がたくさんあります。(1音だけ下げ弓で5〜6音が上げ弓というパターンが続くのです。弾いているとシャックリのような感じになってしまうのです。)
 今日いただいたメールの中に私も存じ上げている方からのメールがあり、ニールセンとモーツァルトは良かったということでした。モーツァルトはソロが良かったということです。ブラームスについてはこの方はテンポは速いけれど妙に長く感じたとのことでした。
 私もニールセンの序曲は長すぎず聴いて面白いだろうと思います。モーツァルトは何といってもクーパーさんのピアノが素晴らしく、昨日家に帰って試しに家にあるこの曲のCDを聴いたのですがクーパーさんのピアノの方がずっとずっと魅力的でした。ブラームスについては妙にテンションが高く、弾いていると落ち着かない感じがして仕方ありませんでした。不思議なことに本番を終わって感じる印象は、練習の時に感じた通りそのままの場合が圧倒的に多いです。今回も先生のお話のされ方と同じ印象を強く受けました。

 今月は私は月の後半が何故か降り番になってしまいました。C定期と大阪、徳島、松山の演奏旅行です。この間に済まさなければいけない用事は山のようにあるのですが、その合間を縫っておととい届いた6BM8のアンプを是非とも作ろうと思っています。今からこのエレキットのTU-870の追体験が楽しみです。

 

 このアンプに右の写真のALRJordanのEntrySをつなぐと可愛いシステムが出来そうです。これだと7〜8万位でそれなりに楽しめそうです。このアンプはTANNOYのDevonでもちゃんと鳴らしたのですが、能率の良いスピーカーだったらもっと大きい物でも鳴らしてしまうでしょう。もちろん高いアンプにはそれなりに存在理由があるのですが、普通に聴くのにそこまで要るのかなぁ〜?真空管アンプの先輩YさんなどN響の人にこのTU-870を何台も作ってあげています。私も最初に作ったプリアンプをOさんに譲りました。レコードを聴く必要があるのでイクォライザーが必要だったからです。


2.6

 今日はA定期初日でした。本番になったらゲネプロの時より速めのテンポで、ニールセンの序曲などヴィオラが入ってきた所などかなり速かったです。ブラームスも4楽章などとても速く、最後まで同じテンポで行ったのはすごい事なのですが、聴いているといささか落ち着かなかったりしてと心配になりました。でもあのお年でこのテンポ感を維持できるというのはすごい事です。その秘密は菜食にあるのではないかというのが楽屋での話でした。
 これは昨日聞いた話なのですが、練習の時にブロムシュテット先生にお昼に蕎麦を出したら、蕎麦のツユが魚の出汁で出来ていることを聞いたら何とツユをつけずにソバだけ食べられたそうです。それくらい徹底した菜食主義だそうです。
 まずニールセンのヘリオス序曲を弾き、次にモーツァルトのピアノ協奏曲ハ長調を弾きました。イモジェン・クーパーさんのピアノはとても素晴らしい音でした。全部の音がちゃんと吟味されてコントロールされているのはさすがでした。ブロムシュテット先生はこの曲の時にオケの配置に細かく場所を指定されたので、1曲目が終わると弦は全員袖にはけて舞台上のセッティングが終わるまで待っていました。
 休憩後はブラームスでした。練習やゲネプロの時とは違ってとても速めのテンポでどんどん進んでいきました。大体ご高齢になるとテンポが緩んでくるものなのですが、スヴェトラーノフ先生といい今回のブロムシュテット先生といいとても前向きなテンポで行くのは大指揮者の1つの証拠です。

 私はいつもショルダーバッグとPowerbookの入ったバッグを持っていますが、いつも気になるのがショルダー・ストラップです。片側の肩に2つのバッグを掛けるのでストラップの具合が悪いとバッグが肩から落ちるのです。この前Powerbook用のバッグを買ったのですが、ストラップが今一つしっくり来ないのです。今日東急ハンズの1階のショルダー・ストラップのコーナーに行って、何種類かのストラップを見ました。ストラップはしばらく使ってみないと良いのかどうか分かりません。今まではほとんどが対称形だったのですが、肩に当たる部分に方向性のあるものが何種類か出てきています。今日買ったストラップが肩によくフィットしてくれることを祈っています。


2.5

 今日は午前中にブラームスとニールセンを練習し、午後はモーツァルトのハ長調のピアノ協奏曲を練習しました。あまり聴かない曲ですがとてもきれいな曲で、ソロのイモジェン・クーパーさんの演奏はとても丁寧でした。ブラームスとニールセンは対向配置だという事もありセカンドは8プルトになっています。セカンドは客席に対して反対を向いているので、ファーストと同じ8プルトいてもやはり弱いと思います。
 今回は普段N響が使っている譜面ではなく、ブロムシュテット先生のボーイングが付いているようです。ブラームスのようによく知っている曲だと、普段と違うボーイングだとすごく抵抗があります。1楽章などオリジナル通りのボーイングが付いているところも、そのまま弾くとシャックリをしているような感じになってしまうからです。普段のボーイングで部分的に手直しをする程度で充分要求されているニュアンスは出せると思います。
 今日一日長〜い練習が終わり、昨日今日とまだ2日しか過ぎていないのに、もうずーっと練習が続いている感じです。明日はいよいよ本番です。

 今日家に帰ったらエレキットの6BM8のアンプTU-870が届いていました。

 私が2年前に真空管アンプに夢中になったきっかけを作ったアンプです。その時のことを思い出しながらゆっくり丁寧に作ってみようと今から楽しみです。(今までは早く作りたいという気持ちが先行していたのですが、今回は1つ1つハンダ付けをジックリとやってみたいです。アンプは充分にあるので急ぐ必要もないからです。)このアンプが出来たら家中にあるスピーカーにつないでみて、どんな音がするのか再確認してみようと思っています。2万もしないアンプですが、多分普通に使うならこれで充分という結論が出ると思います。
 先月の終わりにある雑誌を買ったらいくつかのメーカーのアンプのエントリーモデルとフラッグシップモデルの比較試聴の記事が出ていました。読んでいたらあるメーカーのエントリーモデルの値段は何と220万だそうで、いっぺんにズッコケテしまいました。私など全然手の届かない世界の話でした。


2.4

 今日はブロムシュテット先生の練習初日でした。いかにも先生らしい練習の一日でした。ブラームスの2番の1〜3楽章を念入りにやり、その後ニールセンのヘリオス序曲を練習しました。ブラームスの2番はN響の譜面ではないので、ボーイングがまるで違うところがあり慣れるのが大変です。
  今月の定期はどれもニールセンの曲が入っています。今回はヘリオス序曲、次は交響曲第6番、最後の定期はクラリネット協奏曲です。私からするとヴァイオリン協奏曲を取り上げて欲しかったです。ニールセンのヴァイオリン協奏曲は取り上げられることのほとんどない曲で、私もN響で1度弾いたことがあるだけです。(誰が弾いたのかは覚えていませんが、弾いたことだけは覚えがあります。)
 今回は明日もう1日練習があります。明日はブラームスの2番とニールセンの序曲の他にモーツァルトのピアノ協奏曲ハ長調を練習します。

 今日は昼休みと練習の後に会議があり、一日中全然休みがありませんでした。その後家に帰ってすぐにレッスンがあり大変でした。夕食後になってやっと一息つけました。


2.3

 今日も目が覚めたのは9時過ぎでした。夜になると色々やることがあるので、昨日も私が寝たのはほぼ3時でした。1月31日からの演奏旅行の時に1年点検をしてもらったのですが、普通点検をすると調子が悪くなるということが多いのですが今回は点検をしてからとても調子が良いです。エンジンの吹け上がりが良くなり、加速も前より良い感じです。昨日点検から戻って初めて車に乗って反応の良さにビックリしました。今日は家から錦糸町のイースト21までの往復をしました。この調子だとこの車まだしばらく乗れそうです。前に車に乗っていた時は車の雑誌をよく買ったのですが、今の車に乗るようになってからは雑誌を買わなくなりました。

 明日からはいよいよ2月の定期の練習です。ブロムシュテット先生の指揮です。演奏会の出来はいつもとても良いのですが、練習の時は音を出している時間より説明を聞いている時間の方が長いので私たちにとってはとてもキツイ一月なのです。今回はどのプロにもニールセンの曲が入っています。今度の定期は序曲「ヘリオス」Op.17が入っています。


2.2

 昨日のJALの最終便で帰ってきました。家に帰ってから色々やることがあったので、結局寝たのは2時過ぎでした。今朝は10時近くに目が覚めました。
 そのあと昼過ぎに千葉の生涯学習センターと浦安の文化会館に録画のための予約を取りに行きました。千葉の生涯学習センターはホールの響きも良く全体の雰囲気も良く、とても良いホールです。ここはおととしの7月7日に理恵子がここでリサイタルを開いたときに初めて行ったホールなのですが、とても素晴らしかったです。浦安の文化会館も音が良いという噂を聞いたので、ここでも録画することにしました。
 ステレオと同じでホールも響きが大事です。ホールに音が吸われてしまうと弾き手としてはいかんともしがたいのです。同じように弾いていても会場から良質のエコーが戻ってくるととてもうれしくなります。客席が200位の小規模の響きの良いホールでお茶とケーキ付きのティータイムコンサートを継続的に出来るのが夢です。

 このところ理恵子が私のレッスン室を占領していたのでステレオを落ち着いて聴くことが出来なかったのですが、カワイのリサイタルも終わりやっと聴けるようになりました。やはり一番大きな問題はスピーカーです。出来るなら大きな能率の良いフロア型のスピーカーが欲しいのですが、今はほとんどがトールボーイタイプです。それにほとんどが木であっても合板で出来ています。(楽器と同様で木でなければどうも魅力的な音に聞こえません。)今の製品の中から探すとTANNOYのStirlingくらいしか候補はありません。能率も91dB位あります。ただ現状では置く場所がないので、話にならないのですが。
 去年サンバレーのSV-501iを作って以来アンプを作る機会に恵まれません。かわいい小出力のシングルアンプを作ってみたいです。最初に聴いてショックを受けたエレキットの6BM8のシングルアンプを作ってみようかなと思っています。これに可愛いスピーカー(例えばALRJprdanのEntrySなど)をつないで、CDプレーヤーをつないでみたいです。出力の点からいうと6BQ5あたりのシングルが良いのですが。(そうなると自作するしかないです。市販の小さいシャーシー・キットを使えばそれほど難しくないのかもしれません。)
 いつも付いて回るのが音楽を聴くのか音を聴くのかという問題です。音楽を聴くのならこんな程度のシングルアンプで充分楽しめてしまいます。でも色々気にし出すとどんどんスケールアップしてしまう事は確かです。私の現用のシステムも総額で100万以上しています。でもこれ以上出す必要性は全然感じません。
  N響の人たちで楽器にはとても拘っている人でも大体がエレキットの6BM8のアンプを聴くとこれで充分だと言います。確かにずっと聴いていると気になる部分はあります。でもたとえスピーカーに100万出しても次元の違う程良い音は聴けません。オーディオ専門店に行ってそこの店お奨めの1本何百万というスピーカーや1つ何百万というアンプを聴いても、「これは!」と思ったことは一度もありません。(どうして雑誌の試聴記事ではこういう新製品だけが騒がれるのでしょう。雑誌も店も商売が先行しています。楽器選びと同じで良い店を選ぶことから始めなければいけないのです。それと商売に目のくらんだ人の言うことなど信用しないことです。)


2.1

 昨日の夜は腹一杯食べたので今朝は朝食を食べる気にならなかったので、10時過ぎの新幹線で軽くパンで済ませました。広島までほぼ1時間の新幹線での移動です。今日の会場はアステールプラザというところで、厚生年金会館のすぐ隣のホールです。ステージが下の右の写真の通りあまり広くないので今日は弦楽器は1プルト減らして並びました。

 昨日と今日はNTTのコンサートでした。右の写真はSitzProbeが終わった時にコウトさんと堀さんが話をしているところです。今日の会場は響きが少なく、あまり弾き易くはありませんでした。といっても今回の3回の演奏会の中では私自身は一番ペースが合いました。特に売られた花嫁の序曲の最初の部分は対向配置だとこれほど弾きにくいものはないというくらい弾きにくいです。更にコウトさんは自分たちで合わせるようにということで、この部分をあまり振って下さらないのです。

 今回初めてDSC-P7をちゃんと使ってみましたが、DSC-P1とほぼ同じに使えるので混乱はありませんでした。USBのコードも電源のアダプターも両方とも同じものです。またPowerbook G4になって初めての旅行でしたが、H"のカードもちゃんと使えましたし今までのPowerbook G3と全く同じに使えました。国内の演奏旅行はこれからはこのG4で行きますが、ヨーロッパ旅行はロシアに行くこともありG3の方で行きます。ATTのホームページなどを見るとロシアでは旅行者はインターネットに接続することは出来ないようです。(多分ロシアにいる間はアップロードは出来ないでしょう。ウィーンに行ったらそれまでの分をまとめてアップロードすることになるでしょう。)それに治安がとても悪そうなのでG4は持って行けません。


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