ひとりごと2002年10月分  


このページは私の日記のようなものです。私の感じること、周りで起こったことを書きます。


このページは下から上へ順番に日付が新しいものになっています。
前のものを読みたい方はこちらからどうぞ。


栄子先生のピアノ教室プロフィールひとりごとも是非ご覧下さい。


10.31

 今日は高松での演奏会でした。朝8:40のJAS便で高松に行きゲネプロ本番、そして18:15のJAS便で帰るというかなりの強行軍でした。会場はN響がいつも弾く香川県民会館でした。

 グリーグのホルベルク組曲の第1曲に始まり、フルート、トランペット、ヴァイオリンの楽器紹介のあとレスピーギのリュートのための古代舞曲とアリア第3番、最後にジュピターというプロでした。今回は弦は6-5-4-3-2という編成で会場の割には小編成ですが、ジュピターなどはとても充実した響きが出ていました。

 既に皆さんご存知とは思いますが、次期音楽監督としてウラディミール・アシュケナージ氏が就任されることになりました。2003年9月から2004年8月までの1年間はミュージック・アドバイザーとして活躍されます。これに伴いデュトワ氏は2003年8月で音楽監督を退任され、名誉音楽監督として1シーズンに1回程度得意のプログラムを振っていただくことになったようです。
 アシュケナージさんはとても音楽に対して厳しい方ですので、この交代によりN響は新しい段階に入っていく事になるでしょう。


10.30

 明日高松で演奏会があるのですが、今日その練習がありました。レスピーギの古代舞曲やジュピター、そして楽器紹介というようなプロです。明日は日帰りなのでいささかキツイのですが、朝6時半頃家を出る予定です。今日練習後高松に行く人も何人かいるようで、私もそうすれば良かったと思いました。と書いていたら、巨人が日本シリーズを制したようです。最短の4連勝であっという間に決まってしまいました。

 練習所にもADSLとAirMacが導入され、PowerbookやiBookを持っている人はAirMacカードが入っていれば問題なくインターネットに接続できるようになりました。Windowsの場合は問題なくというわけには行かなかったようで、色々設定をやりくりしてやっとつながったようでした。今日練習所にPowerbookを持って行ってメールを何通か出したあと、家に帰って家のAirMacにつなごうとするとメールが読めなくなっていました。諦めてPowerbookをシャットダウンしたあともう一度起動させてやってみたらすぐに接続できました。頭を冷やすと良いという事でしょうか?


10.29

 今月の初めまで猛暑の名残があったのに、さすがに10月も終りになるとすっかり秋の気配です。今年の冬はどんな気候なのでしょう。今年は暖冬ではないという話だそうですが。

 ピアノとヴァイオリンの両方を弾いている生徒がいるのですが、この子は今年の夏のコンペティションで全国大会に出場してからまるで人が変わったようになりました。今まではただ弾いているだけで、人に何か言われてもただ笑ってすませてしまうような子だったのですが、9月になったら突然レッスンのペースが上がり始めました。全国大会で思ったように弾けなかったことがとても悔しかったようで、こちらの注意を一生懸命直そうととても頑張っています。この子の変わりようを見ても、子供の能力はすごいものだと思います。この子のお母様は今年の夏の経験から我が子の能力を見直されたようですが、皆さん是非お子さんの能力を発揮できる環境を作ってあげて下さい。そしてお子さんの能力を信じてあげて下さい。


10.28

 今日はせっかく書いたひとりごとがフリーズのために消えてしまい、いささか出鼻をくじかれてしまいました。(かなりの長文が一瞬で消えてしまいました。)それを思い出しながらもう1度書きます。

 今私はマーラーの復活と6番のCDを聴く宿題を抱えています。CDを聴いていて感じるのはステレオを換えたり、音量を変えたりすると同じ演奏でも印象がまるで違うということです。それだけCDがステレオを選んでいるのかもしれません。その中から共通して得られる印象こそが大切なのですが、それを抽出するのがなかなかの難物です。同じようなことはキット屋さんの店主日記にも書かれています。
 スケール感を味わうためにボリュームを普段より2段階ぐらい上げて聴いてみたりもしてみたのですが、結局は普段聴く音量で聴くのが一番良いとの結論に到達しました。この普段聴くボリュームというのはとても個人差が大きいです。私の家では私が一番音量を上げたがります。栄子先生も理恵子も私が聴くのより一段階小さい音量で聴いています。(テレビを見ているときも同じことが起こります。)
 そんな私でもステレオを聴いていてある程度以上の音量にすると、音色の変化ニュアンスの変化が少なくなっていると感じます。やはり音がちゃんと前に出てくる範囲内でいくぶん音量を絞って聴いた方がニュアンスはよくわかります。音量の大きさばかりを求めていると平板な音に慣れてしまって、感覚がマヒするような気がします。(同じことは弾く場合にも言えます。本能的に大きな音を出したいと思っている人は少なからず表現が一色になってしまうものです。)それにいつもあまり大きな音でステレオを聴いていると難聴になるようです。(ステレオの売り場の人や批評家にはこの手の難聴の人がかなりいるという話を聞いたことがあります。)やはりステレオはその限界を承知の上で、その範囲内で楽しむのが一番です。普通の音量で充分音楽は楽しめるのですから。


10.27

 今日から久し振りに降り番です。9月の最初のC定期以来です。
 TEAの時に奏法について思いついたことがあり色々やってみたのですが、TEAの間は収穫が得られませんでした。今日時間があるので色々試していくうちにある意味では当たり前の、とても大切なことに気がつきました。弓を持った時の微妙な力のバランスが少し狂っていたようでした。このバランスを直したら、今まで弾き難いと思ったものもとても楽に弾けるようになりました。生徒達にも試してみようと思っています。
 いつも同じように弾いているつもりなのですが、時間が経つうちに細かいところが少しづつ狂っていくのです。いつも自分の出す音を聴いて気をつけていないと、知らないうちにすごく弾き方が悪くなってしまいます。自分の音はいつも聴いているので、少しづつ悪くなっても気がつかないことがよくあります。(弦が古くなっても気がつかないのと同じです。)
 また何ヶ月か経ったらまた弾き方を確認しないといけないでしょう。


10.26

 今日は来年の大河ドラマのテーマ取りとNHKの特集番組の収録でした。大河ドラマのテーマは服部克久さんの指揮でした。ついおとといまでのあの緊張感に較べて、今日はとても楽に弾けました。今日席に座ったらTEAに出ていた人もたくさんいるのですが、「あれ、どなたでしたっけ?」というような久し振りに顔を見た人もたくさんいました。TEAに出ていた人達は異口同音にいまだにTEAのフレーズが頭に浮かんでくると言っていました。またたった2回の本番だったことが勿体ないと言っている人もいました。それだけTEAは印象的な曲だったということです。私もとても良い経験をしたという思いを新たにしました。
  午後は特集番組の収録でした。指揮は松尾葉子さんでした。松尾さんは私がまだ芸大生の頃芸術祭で松尾さんの指揮で弾いたことがあります。松尾さんに会ったら私のことを覚えていてくれていました。こちらの収録はちょっとした不手際があって、収録は時間オーバーしてしまいました。でも一応ちゃんと収録は終わりました。

 終わって家に帰ろうと思ったら、渋谷原宿の辺りは大渋滞でした。家に帰ったらもう既に生徒が来ていて、私の帰りを30分以上待っていました。かわいそうなことをしてしまいました。

 昨日リビングのステレオのセッティングを色々やっていてつくづく感じたのですが、私たちのように生音を知っていても色々やっているうちに訳がわからなくなってくるのですから、ステレオから聞こえる音だけを頼りに調整するのは至難の業というか無理というものでしょう。今日久しぶりに会ったYさんも自分ではスピーカーのセッティングはあまり拘ってはいないとのことでした。
 それに私が色々気にしてスピーカーのセッティングをやっても、栄子先生も理恵子もそんなことはほとんど興味がないのです。「言われてみれば低音が出ているかしら?」という程度の張り合いのない反応です。でも弾く人というのは大体がこういう反応しかしないものです。(でも決して何も分かっていない訳ではありません。ちょっとした批評はとても的確です。ですが聴く時にはそれにはほとんど拘ってはいないということなのです。)それにどんなに偏った帯域のステレオを聴いていても、その演奏が良いか悪いかは確実に分かるものです。(ヴァイオリンもちゃんと調整していなくてもその楽器が良いか悪いかぐらいは分かるのと同じでしょう。)
 何日か前に1階と2階のピアノを入れ替えましたが、2階に持ち上げたピアノは今まで理恵子が音の出方が好きではないと言っていたのですが、整調してもらってからはとてもこのピアノが気に入っています。今までのピアノに較べて大きいだけあって音の芯がちゃんとある素晴らしい音に変身しています。このピアノを手に入れてから10年近くたってやっとこの楽器の本領が分かったのです。
 このステレオとピアノのことに共通して言えることは、音に関する判断というのはとても難しいということです。今までの習慣とか癖がとても大きな影響力を持っていて、自分の楽器についてさえ本当のことが分かるのには何年もかかるのです。(世界的なソリストでも楽器を替えるのに何年もかけるというのはこういうことが影響しているのでしょう。)結論を急いで色々な物を買い込むことの愚かさをつくづく知らされました。(弦を取り換えてもプレスされた楽器がStradにならないのと同じです。インシュレーターやコードで大したことのないステレオが名器になることなどありません。)


10.25

 今日はN響はお休みでした。とても長かったTEAもやっと終り一段落着いた感じです。
 今日マーラーの復活のCDを2階で聴いたのですが、低域が抜けてしまっている音がしていました。この前無線と実験の取材の時に頂いたアドバイスでコーリアンのボードを外して木の台だけにしたのですが、復活の最初の所もバランスが高域に移ってしまっていました。1階のレッスン室のステレオでマーラーの6番を聴いたらちゃんと聞こえるので、2階のスピーカーのセッティングの問題だと思い木の台の向きを変えてみました。

 スピーカーのユニットを耳の高さに持って行く方が良いと思い込んでいたので、スピーカースタンドを高くなるように縦長に使っていたのですが、音を聴くとこのように横長に使った方がはるかに良い音です。音のつながりまで改善されたように聞こえます。先程この状態でもう一度復活の初めを聴いてみたのですが、帯域のバランスがかなり改善されていました。
 2階リビングと1階レッスン室では、2階リビングの方が音は伸び伸びとしていて響きも良いです。1階レッスン室のステレオの方が良い音なのですが、部屋自体の響きは2階に較べると圧迫感があります。違いといえば天井の高さが5cmほど低いのと部屋が少し狭いだけなのですが。1階のレッスン室は遮音のために壁に色々入れていることが影響しているのかもしれません。
 昨日家のピアノ調律をして下さった調律師さんも家では真空管アンプでRogersのLS3/5Aを鳴らしていらっしゃるそうです。この方は主にレコードを聴かれるようなのですが、私と同様に真空管アンプにしたら何枚でも聴けるようになったそうです。この方も私と同様CDとレコードを較べるとレコードの方が音楽的に聞こえるというご意見でした。帯域が広くなくても音楽の芯がちゃんと聞こえてくるというという感じは私の周囲では皆共通して言うことです。

 前にサンバレーのSV-501iを作ったことはご紹介しましたが、ずっとJB300Bも気になっていました。

 

 ジュエルボックスを貸していただいてしばらく両方を色々聴き較べていたのですが、どちらも捨てがたい味があります。昔集めたレコードを懐かしく聴くのでしたらジュエルボックスの方が絶対に雰囲気に合います。どちらか1つということになると私は結局SV-501iを選んでしまいました。(性能から考えると、とてもお買い得だと思います。)といっても今ではSV-501iは製造中止になってしまっています。そのうちこの後継機種が出るのではないかと期待しています。


10.24

 今日はTEAの本番2日目でした。今回のTEAは練習4日に続けてH.P.、G.P.、1日休みに本番第1回目、1日休みに本番2回目ということで、普通の定期2本分くらいの負担がありました。私は9月の初めに降り番だったあとずーっと出番だったのでいささか疲れました。今日は私自身も弾きながらTEAをとても楽しめました。途中にとても面白いところがあります。歌手がセリフをしゃべっていくところなのですが、各小節が1/4、2/4、3/4、4/4、5/4、6/4、7/4、8/4、9/4というように進行していくのです。タン・ドゥンさんの面白いアイデアです。
 タン・ドゥンさんは指揮専門ではないので、時々小節の変わり目がよく分からないので面食らうことがあります。でも作曲家自身が振っているので、その雰囲気から音楽が溢れ出てくるので大きな問題にはなりませんでした。「この曲で上海とアムステルダムに演奏旅行したら良いのに。」と言っている人がいました。
 タン・ドゥンさんの息子さんはお父様にそっくりだそうです。(私はチラッとしか見ていないのでよく分かりませんでしたが。)

 これで15日から始まったTEAも終わりました。次はあさっての来年の大河ドラマのテーマ取りに続いて、サヴァリッシュ先生のB定期(シューベルトのミサ曲第5番がメインです。)と京都岡山の演奏旅行です。私はB定期は降り番です。


10.23

 今まで昔のデータをほとんど残していたのですが、どんどん容量が大きくなっていくしとても管理しきれないのでひとりごとも今年の分だけ残すことにしました。たしかに記念としては面白いのですが、あまりにもデータ量が多すぎます。ホームページをお読みになっていてリンクが外れているかもしれませんが、このような事情によるものですのでご承知下さい。

 今日は1階と2階のピアノを入れ替えてもらいました。詳細は栄子先生が報告すると思うので、そちらをお読み下さい。私の部屋はピアノが1回り小さくなったので、部屋の感じが少し変わりました。(右が今まで、左が新しい状態です。)見た感じでは今の方が落ち着いています。

 


10.22

 今日はTEAの第1回目の本番でした。今日までに既に6日間の練習という、異例な練習の長さでした。今日は本番の始まる前に会場を見たらお客様が少ないのかなと思ったのですが、終わった時には多くのお客様がいらっしゃいました。おとといのゲネプロの時には私の所からは字幕が見えなかったのですが、今日は字幕が少し内向きになっていたので私の所からもよく見えました。今回の字幕はとてもきれいで、特に解像度がかなり高いように見えました。こういう技術も日進月歩のようです。
 演奏そのものは今まで書いてきた通りですが、本番ともなるとテンションがかなり高くなっていました。タン・ドゥンさんも今までとは微妙にタイミングが違っていました。今回は私の座っている場所のせいで、普通に指揮者の方を向いて弾くわけにはいきません。弓先が出演者のドレスにからんだり、舞台の上に出ると踏まれてしまう危険があるからです。そのため極端に右向きに座っているので指揮者がとても見にくいのです。(そのかわり字幕が見やすいということはありますが。)19:00開演21:30終演で、正味はほぼ2時間、それに休憩時間20分が加わり、更にカーテンコールがあるからです。
 今回のTEAは弾くこと自体はそれほど難しくないのですが、通して弾くととても神経を使うので終わるとグッタリ来ます。この曲は弾くのではなく客席で聴いた方がずっとずっと面白いでしょう。

 明日は1日休みです。明日は朝から家の1階と2階のピアノの移動があります。


10.21

 このところTEAの練習でレッスンが満足にできなかったので、今日は生徒がまとめて来ました。N響は普段は練習は10:00〜15:15、演奏会の時はゲネプロが11:00〜13:15、本番が19:00からというのが普通のペースですが、今回はH.P. G.P.と夜だったのでいつものペースが作れませんでした。おとといH.P.の日もG.P.の日もホールに行く前に2人レッスンをしていますが、とても落ち着かなかったです。
 いよいよ明日はTEAの本番です。昨日のひとりごとに本番は26日(火)と書いてしまったようですが、実際は明日22日(火)の間違いでした。11月のカレンダーを見ての間違いだったようです。すみませんでした。間違いをご指摘下さった皆さんありがとうございました。


10.20

 今日はTEAのゲネプロでした。今回は公開のゲネプロでした。2階席の奥だけに人が入ると思っていたのですが、実際にはこの写真の右手の2階席まで人が入っていました。

 指揮台の方を向くと弓の先が右に見える台に直撃になるので、皆右向きに座っています。その上登場者のドレスの先が右に見える台からはみ出してくることがあるので、弓の先がドレスとからまないかがちょっと心配なのです。

 客席で見た人達は口々にとても面白いと言っています。このオペラの面白さは会場で味わうのでないと絶対に分からないと思います。TEAは私たちのように弾くのではなく、客席で響きに浸りきるのでないとつまらないでしょう。ただ会場に字幕があってそれに歌詞が出るのですが、話が複雑なので字幕があってもストーリーが分かりにくいと言っている人がいました。私もこのオペラのあらすじというのを読んだ時に、難しくて頭に入ってきませんでした。一見哲学的な話のように見えるのですが、実際にはもっと感覚的に聴衆に訴えようとしているようです。
 いよいよ本番はあさって22日(火)です。


10.19

今日はタン・ドゥンさんのオペラTEAのHaupt Probeの日でした。出演者も皆衣装を着ての練習で、私たちも衣装を着ています。

 このオペラは照明も大きな要素なので、演奏しているオーケストラが目立たないようにこのような衣装を着ることになりました。今回オーケストラの編成はかなり小さいのですが、バックスステージには色々な物が置いてあったりでとても狭いです。ソリストや合唱団が入るので、楽屋も普段よりかなり狭いです。オーケストラも演奏中にwhisper(ささやき声)で「Give me the book」というセリフをしゃべるところがあります。最初に通した時には会場ではセリフがほとんど聞き取れないとのことでした。
 TEAというのはお茶のことなのですが、音楽を聴いていると和風と中国風とが何とも言えずにブレンドされているような感じです。セリフが英語だということもあるのですが、曲の初めも京都のお寺という感じはしません。でも不思議な迫力のあるオペラです。今日のH.P.に降り番のヴァイオリンのTさんが聴きにいらしていました。休憩時間に印象を聞こうと思ったのですが、気がついたらもういらっしゃいませんでした。


10.18

 今日は「TEA」の練習4日目で、サントリーホールでの練習2日目です。通しの練習と部分的に色々な手筈の調整をやりました。明日はH.P.(Haupt Probe)、あさってはG.P.(General Probe)です。今回のオペラでは明日のH.P.が一番大変でしょう。時間的にも明日が16:00〜21:00と一番長いです。
 第1幕第1場は京都のとあるお寺でお茶の儀式が行われています。高僧聖嚮が空のお茶を味わっている。他の僧達はなぜ空の茶を味わうのか尋ねる。聖嚮は10年前に僧へと身を転じたことを告げる・・・・・・そして第2場は10年前の中国の長安。ここから話は佳境に入るのですが、その話の筋はとても長大になるのでここでは省略します。最後は曲の最初と同じ場面になり聖嚮はもう一度「お茶を味わうことは、何より難しい・・・・」と歌って終わります。
 昨日ご紹介した写真の白い板の上を歌い手達が縦横無尽に動き回る、とても面白い作品です。(その分私たちは水がかかったり、物が飛んできたりするのではないかとヒヤヒヤしています。)
 明日からはオーケストラも衣装を着ての練習になります。本番は22日(火)と24日(木)の2回です。


10.17

 今日は演奏会場であるサントリーホールでの練習でした。初めに今回のオペラTEAの重要な要素である水、紙、陶磁器の響きの調整をしました。
 左側の段の上に水の入ったガラスの入れ物があるのですが、音を出す際に水が跳ねて我々の楽器にかかってしまいました。水の鉢を後に下げてその問題は解決しました。(中央の段の左側に私たちオーケストラがほとんど入っています。右側には打楽器郡が入っています。)
 オーケストラだけで練習していたときと違い、今日は作品の全容が見えてきてとても面白かったです。タン・ドゥンさんの音に対する独特の感覚にはやはり驚かされます。水をたたいたり、水を入れ物に入れてその水を鉢に落とす音を使ったりしています。この曲は3幕からなり、第1幕は2つの景からできています。曲頭から3人の打楽器のソリストが照明を浴びていささか異様な雰囲気で曲が始まります。この曲ではオーケストラも単に弾くだけでなくハミングをしたり変わった奏法をさせられていますが、音を聴いている限りでは特に変わったことをさせられているという感じではありません。新しい音楽のトライアルであるこの作品は是非とも会場で聴いていただきたい曲です。見ているだけでも充分楽しめる作品です。


10.16

 今日はTEAの練習2日目でした。今日は歌が入っての練習でしたから、昨日とは様子がかなり違います。ソプラノの方が具合が悪くて、注射をしてもらったという話をタンドゥンさんがされていました。代わりにタンドゥンさんのアシスタントの人がソプラノのパートを歌っていました。タンドゥンさんはとても気さくで明るい方です。譜面を見て想像するより2段階くらいメリハリを効かせて弾かないといけないようです。曲想の説明を聞いていると音色に対して独特な感覚をもっていらっしゃいます。たぐい稀な才能の持ち主なのでしょう。好き嫌いは別にして新しい表現方法のトライアルとして是非一度聴いてみていただきたい曲です。
  今回のTEAは目で見て楽しむという要素がとても大きいです。この曲はただ録音を聴いても作曲者の意図していることは分からないでしょう。(これは前回の「門」の時にも同じことが言えました。)明日から2日間サントリーホールでの練習です。実際の演奏会場での練習ですから、私たちもとても楽しみです。


10.15

 今日はタン・ドゥンさんの作曲と指揮によるTEAの練習でした。今日はオケのみの練習でした。とても小さい編成の曲で、ヴァイオリンは第1第2ヴァイオリンともに8人です。左の写真に短冊のような物が3つ見えますが、これも楽器になっています。右の写真には3人の打楽器のソリストの1人が写っていますが、今回のオペラの各幕の副題である水、紙、セラミックが並んでいます。
 今日はオケのパートの譜読みをしたのですが、奏法について言われることを聞いているととても色々なイメージを持っている方です。明日からは歌も入った練習になりますが、色々な趣向が凝らされているようです。オーケストラのメンバーがハミングで歌ったり、第2幕「紙」では譜めくりの音が音楽になっていたり、一風変わったピッツィカートをやらせたりと色々な表現を試しているようです。明日の歌付きの練習が終わってみないとどんな音楽になるのか分かりませんが、今日の練習だけでもとても面白そうです。


10.14

 このところ色々気を遣わされることが多くあまり食欲が湧かなかったのですが、昨日鎌倉芸術館から帰ってきてからはお腹が空いて仕方ありません。人間気の持ち方次第だということを痛感させられました。今はそういうストレスも全て気の持ちようと割り切れたので、気持ちはスッキリしました。

 この前MJ(無線と実験)誌に私の家が特集されてからそれに対する反響は今のところ特にないです。今までのオーディオの世界での話とは全然違う観点からの疑問の投げ掛けなのですが、オーディオの世界の方達はどうお考えなのかとても興味があります。弾く側聴く側双方が納得できるようなステレオが一番求められているのではないでしょうか?双方の感覚の結晶のようなステレオができたら、音楽の真髄を伝えられる最高の道具ができると思うのですが。(商売にはならないのかもしれません。でも今のやり方ではステレオを単なる物好きの道楽にしてしまっていないでしょうか。)私たちにとってはオーディオは日常の生活で音楽を聴くための有能な道具なのです。オーディオの世界の人でもまともな感覚を持っている人は大体今のオーディオの方向性に対して危機感を持っています。(接続コードだけで何万円というような話はどう考えても健康ではありません。)
  私から一番提案したいことのは、家族と一緒にオーディオを聴いて下さいということです。ご一緒に音楽を聴いて共通の話題を持ってみて下さい。一人で部屋に引きこもって聴いている時よりずっとずっと自分の世界が広がります。同じ曲を家族がどう感じるのか聞くだけでも、とても有益な意見を聞けると私は思っています。演奏会というのは一つの演奏を他の人と共有するという作業なのです。

 教本作りも一段落したと思っていたのですが、実際に教えてみると色々問題山積で作り直ししないといけないと思っています。最近Bronsteinという人の本を読んでいて、Vibratoの練習法についてとても面白い記述を見つけました。今生徒達にこの方法を試していますが、なかなか有効な方法です。実際にヴァイオリンでヴィブラートをかけられるようになるには何段階かの道筋を通らないといけないのですが、最初の段階は易しい割に効果の上がる方法です。(今までこの方法を提唱している人を聞いたことはないです。ヒョッとすると最高の方法かもしれません。)


10.13

 今日は大船の鎌倉芸術館での演奏会でした。家を10時半くらいに出たのですが、現地にはほぼ1時間で着いてしまいました。ここでの演奏会はいつもマチネーで演奏会の後帰るのが一苦労でした。今日はここら辺の事情に詳しい人に抜け道を聞いたので、家には1時間20分位で帰れました。途中少し渋滞していましたが、今までの苦労がウソのような感じでした。

 今日は会場練習の時にステージの反対側の音がとても遠くに聞こえてビックリしました。音が上に抜けてしまっているようでした。昨日の若い人達の演奏会を聴いて若い時の感激をもう一度持たないといけないなと思ったせいもあって、今日の演奏会は弾いていてとても新鮮に感じました。いつもこの感触を忘れずに弾かないといけないのだなと思い直しました。
 スヴェトラーノフ先生のピアノ協奏曲を弾いているとラフマニノフを想像させられます。先生が前にラフマニノフの交響曲を指揮された時に、「ラフマニノフはチャイコフスキーの亜流のように思われているが、ラフマニノフは素晴らしい作曲家だ。」と言われていたのを思い出します。ピアノ協奏曲が似ているのも当然かもしれません。今日も前半のピアノ協奏曲のあと横山さんは自作の曲をアンコールで弾かれたようです。グーノーのアヴェ・マリアの編曲です。後半の巨人は私にはどうしてもテンポが速すぎるように感じました。

 今日家に帰ってやっとしばらく振りに落ち着きました。昨日おとといとせわしなくて大変でしたが、今日は久し振りにステレオをゆっくり聴いています。(曲はシューマンのラインです。)先週は週の初めにLaserWriterが昇天してしまいましたし、私の家が紹介された無線と実験誌が発売になったりと色々ありました。新しいOKIのPSプリンターはまだフォントを格納するハードディスクが来ていないので、本来の姿にはなっていません。しかし3年の間にプリンタもすごく進歩したようで、プリントの速度はかなり速くなっています。


10.12

 今日は理恵子とその仲間の芸大生達による市川市文化会館でのティータイムコンサートがありました。最初にハイドンの雲雀、次に楽器紹介、最後にドヴォルザークのピアノ5重奏曲というプロでした。

 

 左の写真はプロの最後のドヴォルザークの5重奏曲、右の写真は終演後の記念写真です。
 今日娘達の演奏を聴いていて、つくづく若いこの子達がうらやましいと思いました。人によって同じメロディーでも弾き方がかなり違うというところはあるのですが、何といっても若々しくどんどん前進して行く音楽に若さのエネルギーを感じました。自分の学生時代を思い出したとても良い経験でした。

 終演後出演者一同が家に来て打ち上げをしました。とても盛り上がっていたようで、2階にいても時々爆笑している声が聞こえてきました。


10.11

 昨日はA定期の本番だったのですが、家に帰って体調があまり良くなかったのでひとりごとは更新できませんでした。(一晩寝たら体調が戻りました。)今日は定期2日目でした。スヴェトラーノフ先生のピアノ協奏曲の後横山さんが自分の作品をアンコールされたそうです。協奏曲は20分位の曲ですが、アンコールは10分近い大作でした。マーラーの巨人は普通は60分位かかりますが今回は50分位で、異例なくらい短いです。 巨人の最後はホルンが全員立ち上がって吹いたり管楽器がベルを上げて吹いたりと、最後はとても盛り上がりました。ですが全体としては私はマーラーにしては薄味に感じました。独特な解釈だと思いましたが、聴かれた方はどのようにお感じになったのでしょうか?

 昨日ホールについて朝食を食べた後、食堂の隣の本屋で無線と実験の11月号を買いました。私の家のステレオが「ヴァイオリン奏者のリスニングルーム」というコーナーで紹介されています。

 皆さんもし本屋さんで無線と実験誌を見たら是非お読み下さい。演奏する側のオーディオに対する考え方を簡単にまとめてみました。写真がとてもきれいに撮れていて、実物よりはるかに魅力的に映っています。

 明日は理恵子とその仲間によるティータイムコンサートが市川市文化会館で開かれます。チケットは発売と同時に売り切れてしまったそうです。芸大の現役の学生による若さ溢れる演奏はとても魅力的であろうと今から期待しています。


10.9

 今日は昨日書いたテンポの分かりにくい所を中心に最後のツメをしました。テンポの変わり目の指示が今一つ分かりにくかったのです。前回のブルックナーと較べると私の印象ではマーラーの方が合っているような気がします。巨人の練習の後スヴェトラーノフ先生のピアノ協奏曲を練習しました。ソロは横山幸雄さんです。この曲はやはり作曲者スヴェトラーノフ先生の指揮で弾きたかったです。
 N響も早く専用ホールを持って、練習も会場で出来るようになりたいです。練習所でいくらうまく行っても、ホールに行くと細かい所で問題が出るということはよくあります。例えば管の音は練習所では遅れて聞こえるのです。よく指揮者が管が遅れるということを言いますが、ホールで練習所と同じように弾くと逆に早すぎるのです。こういうことは専用ホールで練習していれば起こりません。
  世界の一流のオケは皆専用ホールを持っているので、こういう問題は起こらないのです。

 この前書いたLaserWriter16/600PS-Jのトラブルですが、同じLaserWriterのユーザーの方からインターネットのホームページに修理キットがあるという話を聞き楽しみにそのページを見たのですが、そこで紹介されている症状は私の場合には当てはまりませんでした。
  実はそのお話を聞く前に新しいLaserPrinterを注文していました。今日家に帰って早速その梱包をといてセッティングしました。(まだフォントをダウンロードするハードディスクがないので、完全にプリンタを切り替えられているわけではありません。)

 後が今までのAppleのLaserWriter16/600PS-J(A4サイズ)、前が新しいOKIの2030N(A3サイズ)です。A3までプリントできてもLaserWriter16/600PS-Jとそれほど違わない大きさです。3年ほどこのLaserWriter16/600PS-Jを使っていましたが、技術の進歩は速いものです。今まではこの2030のところに同じOKIのMicroline800PS II LT(A4サイズ)を葉書プリントのために置いてありました。普段は16/600でプリントし、暑中見舞いと年末だけOKIが登場するというのが今までの状態でしたが、これからは2030N1つで全てをまかなえます。それにしてももう修理できないのでどうしようもないのですが、愛着のあるLaserWriter16/600PS-Jがかわいそうです。

 明日発売の無線と実験11月号に私の家が「ヴァイオリン奏者のリスニングルーム」という巻頭グラビアに登場します。この取材を受けたのが9月の初めでした。その時スピーカーの後の厚手の遮光カーテンを外したほうが良いかもしれないと言われたのですが、先週の土曜日に4面のうち3面の遮光カーテンを取りました。よく響くようになりました。


10.8

 今日は巨人を練習した後、スヴェトラーノフ先生の作曲されたピアノ協奏曲をオケだけで練習しました。ライブラリアンの人の話では楽譜のミスがあるようなので、まずオケだけで譜読みをしておいた方が良いとのことだったのですが、ライブラリーの方が譜面に手を入れて下さったために大した問題もなく順調に譜読みは済みました。拍子がどんどん変わるので曲は複雑なのかと最初に譜面を見た時は思ったのですが、とても分かりやすい曲でした。
 巨人の方は部分的に普通はゆっくりするところでin tempoで進むので、今日もオケの方が面食らっていました。たしかにもう一度弾き直すとちゃんと合うのですが、本番は一回勝負ですからいささか不安です。明日もう一日練習があるので多分明日はこういう危険なところを重点的にやるのでしょう。

 今日練習所に行ったら、ヴァイオリンのSさんが真空管アンプを借りて家で聴いてとても気に入ったという話をされていました。私と同様にCDを聴き始めたら何枚も続けて聴いてしまったそうです。Sさんは真空管アンプにはまりそうだと言っていました。クラリネットのIさんは私と同じサンバレーのSV-501iを買われたそうです。(下の写真は左がエレキットのTU-870、右がサンバレーのSV-501iです。)

 

 今日のSさんの話を聞いていて、私が真空管アンプにはまった時のことを思いだしました。Sさんもそれまで知り合いが作ってくれたトランジスタのアンプを聴いていたそうですが、この何ともかわいい6BM8のシングルアンプの音が気に入ったそうです。


10.7

 今日は一日マーラーの巨人の練習でした。1楽章から順番に練習していきました。タルミさんの特徴は楽譜通りということです。普通はrit.するところも、譜面に何も書いてないところはテンポ通りに弾くように言われています。例えばフィナーレの始めなど3小節目のヴァイオリンの出だしはいくぶんゆっくり弾き出すのが普通ですが、まったくin tempoで弾き出します。 またクライマックスのところもテンポ設定は楽譜通りです。普段とは違うニュアンスで最初に通して弾いた時には合いませんでしたが、やりたいことを説明されるとなるほどという感じです。
 タルミさんの練習は大体最初に1回通して、次に始めから少しづつやっていきます。少しづつ練習する時はかなり細かくニュアンスや弾き方を注意されますが、一度ちゃんと出来ると更には深追いされないです。(一度できても更に前に戻ってもう一度弾かせるというタイプの指揮者の方が多いものです。)
 今回はプロの前半はスヴェトラーノフ先生のピアノ協奏曲です。明日はまずカラオケで(ソロなし)、あさってはソロ付きで練習します。どんな風になるのかとても興味があるし楽しみでもあります。

 2〜3日前から愛用のApple LaserWriter 16/600PS-Jの調子が悪く、電源を入れても温度調整中というメッセージが出たままになってしまいました。今日日本NCRのクイックガレージに行って修理が出来るか聞いたら、もうAppleからの部品の供給がなくなっているということでもう修理は出来ないとの事でした。このLaserWriterは完全に粗大ゴミになってしまいました。プリンタをどうするか早急に対策を立てないといけなくなってしまいました。今の予定ではOKIのポストスクリプトプリンターの安い物を買うつもりです。問題はフォントです。今は平成書体が標準で、私が使っていたリュウミン、中ゴシック、見出し明朝、見出しゴシックをもう一度買わないといけないのが問題です。(フォントをダウンロードするハードディスクも買わないといけません。このハードディスクが今の相場から言うと5GB程度の物が5万前後と異常に高価なのです。)


10.6

 昨日遮光カーテンをとったレッスン室の響きは、とても良くなっていました。今までこのレッスン室にあったピアノ響きはポソポソしていて、この部屋で長いこと弾いていると自分の音を聴いて落ち込んでいくようだったというのです。ヴァイオリンを弾いたりステレオを聴いている限りにおいてはそれほど悪い音響ではなかったですが、特にピアノの場合に楽器からの音の返り方が2階のリビングのピアノと比べて反応が悪いと前から理恵子は言っていました。私はピアノのサイズの関係でレッスン室のピアノの方を重く感じるのは当然だと思っていました。でも遮光カーテンを取ってみるとたしかに楽器の反応はかなり違いました。
 ステレオの音もかなり変わり、音の艶がかなりよく出てきます。同じCDを聴いても演奏についての印象は同じですが、弾いている部屋がデッドな無響室から普通のリビングに変わったような印象です。実は今レッスン室にあるピアノは、以前防音室に置いてありました。この部屋も天井に吸音材をたくさん入れた上に遮光カーテンを大きな窓4面にかけているのですが、この部屋でもこのピアノはポソポソ聞こえたものでした。(夜この部屋で1人で弾いているのを覗かれないために遮光カーテンを掛けたのです。)この2つの部屋での経験からいうと防音室に遮光カーテンを掛けた状態というのは音響的に魅力的な響きにならないようです。音響の専門家は響きのクリアさの点からデッドな状態を奨めますが、弾く側からいうと演奏を楽しみにくい響きです。
  私の家は標準仕様の遮音性能が良いので輸入住宅にしているのですが、標準仕様の室内の響きはとても気持ちが良いものです。ところが防音室の場合はどうしても部屋自体が吸音力が強い上に、夜外から覗かれないために遮光カーテンをつけていたので、音が吸われ過ぎていました。


10.5

 今日はC定期2日目でした。印象は昨日と同様です。
 私自身は昨日の方が集中できていましたが、他の人も昨日の方が良かったと言っている人が多かったです。今回の定期はホルンの樋口さんが体調不良で急にお休みになり、今井さんが首席代行で吹かれました。

 かなり前に修理に出したメリディアンのCDプレーヤーが戻ってきたという電話が昨日あったそうで、今日ホールに行く前に取って行きました。今の輸入代理店では修理が出来ないそうで、前の輸入代理店にいた人に個人的に修理を頼んでもらったそうです。モーターに問題が出るようだともう修理できないそうですが、これでしばらくは使っていけそうです。修理が出来て一安心です。

 しばらく振りにGoodmanの携帯用プレーヤーからメリディアンに戻りましたが、やはり落ち着いた音に聞こえます。気楽に聴く分にはどちらでもそれなりに楽しめますが、細部を聴くとやはりレベルが違います。

 私のレッスン室にあるピアノの音がポソポソ言うというので、夕食後思い切って遮光カーテンを外してみました。

 

 この部屋は窓が4ヶ所あるのですが、そのうちピアノの後ろのカーテンだけは残して、他は全部外してみました。上の写真の左が今の状態、右は前の状態です。(スピーカーは前からRogersのLS5/9になっています。)理恵子が今この部屋でピアノを弾いていますが、とても良い音がしています。ちょっとステレオを聴いてみても、よく響いて気持ち良い音になりました。ピアノの後ろのカーテンまで外すと音の反射が強すぎて少しうるさくなるので、ここだけは残してあります。
 前の音に較べて艶が出ています。スピーカーからの音の離れ方が良くなったように聞こえます。


10.4

 今日はブルックナーの8番の本番でした。今日の本番はとても緊張感があってなかなか良い演奏だったと思いました。ゲネプロの時と比べると本番の方がはるかに良かったです。時々フレーズのつなぎの所で充分歌い切らないうちに次のフレーズに移ってしまうような気がしました。もう一つ充分に歌わせて欲しいという感じでした。もっともタルミさんはこういう路線とは違うものを求めていらっしゃるのだと思いますから、無い物ねだりなのでしょう。
 今回の定期は1曲なので休憩時間が入らないので、終演後楽屋に戻ってもまだ8時20分でした。普通の演奏会だとこの他にもう1曲弾いて休憩が入るでしょうから、終演は9時になったでしょう。ブルックナーの8番の重さを考えるとこれ1曲で充分でしょう。

 今日本番が終わってから帰りの車に乗ってすぐFMをつけたら、ラフマニノフの2番の交響曲を放送していました。ヴァイオリンの音といい打楽器の響きといい管楽器の音といいとても柔らくて良い響きで、本当にN響の音なのだろうかと聴いていて迷いました。終わってからスヴェトラーノフ先生が指揮された2000年秋のN響の本番の録音だということを聞いて、改めてスヴェトラーノフ先生のすごさを知らされました。普段のN響の録音と一味も二味も違う良い響きでした。
 スヴェトラーノフ先生の指揮で私の印象に残っているのは、99年2月のC定期のロシア音楽特集です。特にダッタン人の踊りが印象に残っています。今回のブルックナーの8番も是非弾いてみたかったです。


10.3

 今日は練習3日目でした。練習のペースは今までと変わりなく、初めからじっくり取り組んでいきました。普通はもう少し重量感を求めるような行き方をすると思うのですが、今回はテンポが速めななので、少し軽く感じるかもしれません。特に2、4楽章でそう感じます。出てくる音はなかなか良いです。それに特に変わった妙な表現を要求していないので、自然な仕上がりになっています。今回の定期は短いノヴァーク版である上に速めのテンポなので、時間は短いでしょうが充実した演奏になっていると思います。

 今日も300Bのエージングをかねてステレオを聴いています。ヴァイオリンのエージングと同じで、本当に馴染むのには何百時間とかかるようです。(ヴァイオリンの場合はちゃんと弾き込んで1年位はかかるので、ステレオ以上に手間がかかります。それに弾かないとすぐに反応が悪くなります。)音をちゃんと出していない状態だと発音の反応が悪く、音のつながりがきれいに表現できないようです。
 レッスン室の300Bのアンプは今年の初めに作ったのに、最初は片側のヒーターが断線し、次は今回の片側の電源を入れた時のプチプチいうノイズの問題ともう2セット管を入れ替えています。こういうところは管のアンプの大変なところです。


10.2

 昨日の台風騒ぎのために練習の開始時刻が11:15になったおかげで、今日はとても朝が楽でした。私の家では台風の影響はほとんどなかったのですが、テレビを見ると送電線が倒れたりケガをされた方がいたりで、かなり被害があったようです。今日は台風一過の晴天で、とても気持ちが良い一日でした。
  午前中に1〜2楽章を練習し、午後から3〜4楽章を練習しました。タルミさんは自分のイメージが伝わるまでは妥協せずに細かく練習しますが、こちらが分かったと思うと更に深追いすることはしない方です。第3楽章にとても思い入れがあるようで、とても多くの時間を3楽章に割かれています。3楽章についてはとても細かいニュアンスを要求されています。今回の定期はブルックナーの8番1曲ですし、割と速めのテンポなのでかなり早い時間に終わりそうです。

 前からメインアンプの右チャンネルが電源を入れた時にノイズを出していました。300Bを入れ替えるとノイズの出るチャンネルが変わるので悪いのは300Bなのは分かっているのですが、最近少しづつノイズが大きくなってきたので今日真空管を入れ替えました。まだ全然エージング出来ていないので時々キツイ音が出ますが、スヴェトラーナの300Bは初めから割と良い音が出ています。今はミルシュタインのヴァイオリン・リサイタルというレコードを聴いています。早く管が馴染んでくれることを願っています。


10.1

 今日はヨアフ・タルミさんの練習初日でした。曲はブルックナーの8番(ノヴァーク版)です。今日はこの曲を練習しているときに昔のことを思い出しました。ロブロ・フォン・マタチッチ先生がこの曲を指揮された時のことです。マタチッチ先生がこの曲を指揮されたことは2度あるような気がします。2楽章のスケルツォの途中のcrescendoのところで先生がされた表情がつい昨日のように思い出されます。
 今回のタルミさんは全体に速めのテンポではありますが、最初の練習の時からなかなか良い音が出ていました。練習の仕方も無駄のない進み方で、同じところを意味もなく何度も弾かせるということはありません。(つまり本当の意味での練習になっているということです。自分のイメージがきちんと決まっていない人の場合は何度も弾かせて、その中から手がかりを探すということが多いのです。オケの練習ではなく自分の練習をしているのです。)今日の感じでは今回のブルックナーの8番は聞き物だと思います。
  戦後最大級の台風が来るということで朝から大騒ぎをしていましたが、練習の後オーディションが終わる時まで私自身は全然雨に降られませんでした。台風の影響が心配されるので、明日の練習は普段より1時間遅く始まることになりました。今の外の感じから見ると特にその必要もないようですが、戦後最大の台風という触れ込みでそういうことになりました。


2002年1月分2月分3月分4月分5月分6月分7月分8月分9月分はこちらです。