栄子のひとりごと2001年10月分 

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10.19

 昨日はカザルスホールで演奏会がありました。娘が大学でお世話になっている迫昭嘉先生の室内楽のコンサートでした。プログラムの1つであるドヴォルザークのドゥムキーは私達親子ともに大変思い出深い曲ですので、大感激してしまいました。迫先生は室内楽を実に楽しそうに演奏されるので、娘は大変刺激されたようでまた室内楽をやりたいと言っていました。先生はこの後もコンサートがぎっしりつまっていて、もうすぐベートーヴェンのソナタ全曲の演奏会が始まります。どんなにお忙しくても疲れた顔一つ見せずに大学のレッスンも一度もお休みされることもないとの事.............大変有難く.頭が下がる思いです。


10.17

 今日は娘の演奏会で新奏楽堂に行ってきました。6人の芸大生の個性溢れる演奏を聴き、大感激しました。プログラムも内容も全て生徒の手作りで心温まる演奏会でした。皆ここまで小さい時からの積み重ねできているので、今後どのようになって行くのか楽しみだなと思いながら聴いていました。終わってから雨の降る中、上野駅までの道のりも短く感じるほど軽やかな気分でうきうきして帰ってきました。


10.16

 エチュードとバッハの仕上げでプレーヤーで録音をしました。自分の演奏を実際にすぐに客観的に聴かせるのですが、その本人はこんなにヘタクソなんだとかなりショックを受けている様子でした。いくぶん遅めですが5年生でやっとツェルニー40番に入った子です。大変まじめで丁寧なのでこんなに遅れてしまっています。でもこれから40番全部録音すると言って張り切っている姿は実に頼もしいです。こちらとしても大変やり甲斐があります。


10.15

 今日娘が芸大の奏楽堂で弾いたのですが、家で弾くのと何かが違う感じがしたといいました。家の2階にあるSteinwayでいつも練習しているのですが、新しい部屋にあるSteinwayを弾く時に感じる違和感と同じだというのです。今までその原因が分からなかったのですが、今日その原因が分かりました。それは鍵盤の高さでした。2階のピアノの鍵盤は床から73cm、新しい部屋の方は床から75cmなのです。このたった2cmの違いが違和感の原因だったのです。いつも73cmのピアノで弾き慣れているので2cm違うだけで何か体に馴染まないものを感じるのでしょう。ピアニストは自分の楽器を持って行って演奏するわけにはいかないので、どんな会場のどんなピアノでも弾けるようにしておかないといけないことを痛切に感じさせられました。


10.14

 今日は中学生のレッスンをしたのですが、拍子感もなくタダ棒読み状態でズラズラと譜読みをしてくるのです。この子は言えば一生懸命直そうとはするのですが、自分からは決して何をやろうともしません。普段の話し方やあいさつも然りです。私が汗だくになって必死に追い上げると一生懸命ついてはくるし、楽しそうには弾くのですが、終わると顔色一つ変えないで「ありがとうございました。」と言って帰っていくのです。この子などを見ていると普段の生活態度が音に出るのではないかと思っています。もっと喜怒哀楽がハッキリ表に出てきてくれるとこちらも教えやすいし本人も弾きやすいと思うのですが、何をどのように考え感じているのかを読み取るのが難しいです。


10.13

 朝からレッスンのほかにソルフェージュを4組やりクタクタになりましたが、とても充実した一日でした。始めたばかりのうちは歌を中心に音感訓練を徹底し、絶対音がつき始めたらどんどん書くことの面白さを教えていきます。2声3声4声も毎週やっているとどんどん実力がついていきます。小3の男の子が体育も好きだけど音楽が一番好きと言っていたので、こちらまでうれしくなってしまいました。私はレッスン以外の話を子供たちとすることが大好きなので、こういう話を聞くと教えていることの喜びを感じます。子供たちは指導者次第でどうにでも変わるので責任重大です。


10.12

 新しく頼まれた生徒のレッスンをしました。初心者を教えるのと違い、2〜3年別の場所で訓練を受けていると、大抵は変な癖がついていてやりずらいです。初心者の場合は真っ白なキャンバスに絵を描くのと同じなので、こちらの思い通りに育てることが出来ます。途中から入ってきた生徒の場合ほとんどがまず座り方から始まり、手のフォーム、ブレス、姿勢など徹底的に一からやり直す場合がほとんどです。しかも今までやって来たことのどこかに良さを見つけてあげないと落ち込んでしまうので、顔色を見ながらレッスンをしなくてはいけないのです。
 あーーー、また重症患者を一人預かってしまいました。健康体になるまで何年かかることやら.............?


10.11

 指が細く関節がグニャグニャしていてあまり上達が望めないと思っていた子がいます。でも最近ハノンの効果が出てきて、指先がしっかりしてきたのです。自然に曲やツェルニーなどにもそれを応用して弾くようになっていて、驚くほど楽に弾けてしまいました。諦めずに続けていて本当に良かったです。この子は今までに何度か挫折しそうになっています。合理的な弾き方を理解できる年齢は個人差がありますが、絶対に諦めず励ましながら褒めながら育てる必要性を改めて感じました。こういうレッスンは教えていて一番うれしいです。本人も「来週は録音して下さい。」と笑顔で帰っていきました。


10.10

 今日はものすごい雨降りで、せっかく作ってもらった貯蔵庫の床が水浸しになってしまいました。今までこのように水が出る事はなかったので原因を究明しないといけません。

 娘が今月の末にオーケストラとラプソディー・イン・ブルーを弾くので、その練習のためにオーケストラのパートを練習して頑張っています。こういう曲は譜面をいくら見てもルバートの仕方など分かりませんから、CDを沢山聴いてどのようになるのかを知らないといけないのです。娘はいとも簡単に「伴奏やっといてね!」と言いますが..........、あまりの音符の多さに目を白黒........?明日までに何とかしないと娘に怒られるーーーー


10.9

 このところ雨が続き、夏に毛虫でいじめられた玄関のお花達も次から次へと花芽をつけ始めました。毎日様子を見て可愛がってあげるとどんどん沢山の花をつけるので、眺めるのが楽しみです。

 今改築した部屋でお気に入りのCDを聴いたらピアノの音がいつも2階で聴いているのとまるで違っていました。鍵盤が下に降りる音まで聞こえて、それでいて音色がまろやかです。少しだけ聴くつもりでしたが、いつの間にか全楽章聴いてしまいました。これからどんどんいろんな曲を聴いてみたいと思っています。夜になるとこの部屋に入り浸っています。主人がアンプを自慢する理由が分かりました。

 スリッパも必ず一緒に聴いていて、いつの間にかスヤスヤと眠っています。ヴァイオリンやピアノの音が大好きなようでCDをかけるといつもそばにいます。


10.8

 体育の日なのに朝から雨模様で肌寒いお天気でした。午後から4人のレッスンをしました。やる気のある子のレッスンも大変楽しいのですが、ぶきっちょでなかなか弾けない子を上手くするのも大好きです。上手く弾けないと思い込んでいる子に共通して言えることは、
1.フレーズの終わりを大きくする。
2.弱拍部を大きく重たく弾きたがる。
3.付点のリズムをまるで最初の音符が三連音符の最初の2つがタイになっているかのように重たくよたって弾いてしまう。
 これらを1つ1つ徹底して実際に何が良くて何が悪いかを理解させると、少しづつ良くなり良い感覚もついていきます。その時生徒は自分でも上手くなっていくのが分かるらしく、うれしそうに直そうとしています。生徒が少しづつでも良い方向に変わっていくのを実感できる瞬間はゾクゾクするほどうれしいです。


10.7

 家中の後片づけもやっと落ち着いてきました。今までいかに家を狭く使っていたかがよく分かりました。我が家は無駄なものばかりとってあって巨大なごみ箱のようでした。

 今日コンクールだった生徒は入賞は惜しくも逃しましたが、かなりの狭き門を通って本選に出場できました。本番に向かって体調をベストコンディションに持って行くことも練習と同じ位大事なことです。小さい頃は特に本人より親が子供の様子をよく観察し、今何が必要なのかを判断しなければいけません。それは食生活だったり体を休めることだったりします。変にプレッシャーをかけるのではなく、とにかく本番に向かって元気よく臨めて気持良く弾けることが大切です。


10.6

 1部屋改築しただけなのに家中全部片付けることになってしまい、今日も朝からてんてこ舞いでした。午後からはコンクールを明日に控えた子と、インヴェンションを始めた2年生の子が来ました。2人ともすごく頑張っているので、レッスンはいつも楽しみです。明日コンクールの子は体調を崩しているので、普段通りに弾けることを願っています。インヴェンションは多声音楽ですから、メロディーと伴奏という形ではなくすべてが大切なメロディーで出来ています。つまり2人の人が歌っているようなものなのです。(シンフォニアなら3人です。)ですからインヴェンションを始めたばかりの時は大変ですが、少し慣れてくるとこの魅力に取り憑かれるはずです。的を得た練習で成長していって欲しいです。


10.5

 このところ毎日夜になると家中を片付けているので、昨日も気がついたらもう2時過ぎでした。それに昨日はスリッパちゃんに予防注射をさせるのに大騒ぎしました。すぐ近くの病院まで連れて行くのにスリッパをカゴに入れないといけないのですが、前はカゴに喜んで入っていたのに、今は絶対に入ろうとしないのです。(マタタビの粉をまいてみたのですがダメでした。)獣医さんに家まで来てもらって注射してもらいました。太郎さんという獣医さんなのですが、スリッパは病気をしないので1年ぶりに太郎先生に会いました。

 今2台ピアノの練習をしていますが、マ・メール・ロアの1、3、5番をやっている子がいます。この曲はオーケストラのCDを聴くとかなりゆっくりですが、ピアノで弾く場合はもう少し速くないと音が続かないです。生徒はこの曲のオーケストラ版は知らないと思いますが、出来上がってきたら聴かせてみようと思っています。色々な音色が必要だということを知らせるのにはとても良いと思います。


10.3

 2台ピアノのレッスンはやはり楽しくて効果的です。ソロの時とは違い生徒もずいぶん練習量が増えているようです。そろそろほとんどの生徒が譜読みを終え、一緒に合わせるレッスンになってきました。一人で弾いている時には味わうことの出来ない楽しさです。2台ピアノのレッスンを始めてからは、面倒臭がっていたハノンやチェルニーも集中力が出てきたようです。バッハはとても大切なのに、つい後回しになってしまいがちなので曲と交代でレッスンしています。これによって順調にバッハの方も進めていくことが出来ます。


10.2

 大体の生徒がレッスンの始めにいつもハノンを弾いています。弾き始めてすぐに「どんなタッチで弾きたいの?」と尋ねるとほとんどの子が「?」という顔をします。つまりどんな音を出したいのかを考えもしないで、ただ何となく弾いているのです。これでは単なる指の運動でしかなく、耳と目を使って音色を作っていくのでなければ全くの時間のロスです。でも生徒は注意すると一生懸命それをやろうとするので、その時は色々な音色を出せます。でも家に帰って1週間経つとまた元に戻っていたりします。この繰り返しですが根気よく続けないといけないのです。というわけでこのところ改めてハノンの重要性を感じています。


10.1

 今日も一日朝から家の片付けをしました。午後は1週間後にコンクールを控えた子のレッスンでした。まだ小学校1年生なので、あまり細かいことではなくイメージを大きく膨らませて楽しく弾くことに重点を置いてレッスンをしています。その場で物語を作ってあげると目を輝かせてうなずきながら聴いています。その後に弾いてみると別人のように楽しそうに弾けます。当日は心から楽しんで弾いてもらいたいものです。

 さて夜は久し振りにテレビでナイターを観戦しました。阪神対巨人で長嶋監督の最後の試合でもありましたが、阪神和田豊選手の引退試合でもありました。和田選手は我孫子高校出身で、私が大学を卒業してすぐに勤務した学校です。和田君は私の音楽の授業をとっていて、合唱の時はいつも指揮者として全体をまとめて後輩からも絶大なる信頼を得ていました。今日は阪神の圧倒的勝利でした。和田選手は17年間現役で活躍し、今日は最後の試合で甲子園球場満員の観客を前にして、立派に最後の言葉を述べていました。その姿にホレボレとし、我孫子高校時代のことを色々思い出していました。こんな立派な教え子がいる私はとても幸せ者です。これからもずっと阪神ファンでいよう!!!と今日心に決めました。


2001年9月分はこちらです。


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