ステレオ 


私が家で音楽を聴くためのステレオをご紹介します。

 ヴァイオリン弾きである私が自分の勉強と楽しみのために聴いているステレオです。リビングと家の中の3つのレッスン室にステレオを置いていますが、リビングと私のレッスン室をメインにしています。
 第一に音の芯がしっかり伝わること、そして音の質感密度感スピード感が全帯域で同じであること、そしてステレオの存在を忘れられる事が私の求める条件です。私にとってスピーカーから出る音は広帯域で分離が良い事より、まとまりの良い事の方が大事です。そういう条件のもと集めたのが私のシステムです。


リビングのシステム

スピーカー:TANNOY Devon
メインアンプ:
    サンバレー SV-501 SE
プリアンプ:QUAD66
CD:ARCAM FMJ23T
DAC:サンバレー Model2
DAT:Victor XD-Z909
プレーヤー:REGA Planar25
カ−トリッジ:
    Ortofon Kontrapunkt a
MC昇圧トランス:
    Ortofon T20MkII

 リビングのスピーカーTANNOYのDevonは以前は木のスピーカースタンドを横にしてその上に置いていました。ですがキット屋さんのホームページに出ていたTANNOYのStirlingの置き方の記事を読んで、この写真のようにスタンドの上に載せることにしました。スタンドは2つを一緒にして使っています。
 2004年の1月に見つけたDevonのエッジの劣化を4月に張り替えて修理しました。また5月半ばにMERIDIANの207 IIがとうとうレーザーが弱くなってディスクを読まなくなってしまいました。
 そういう事もあろうかと1年くらい前に普段用にARCAMのプレーヤーを買いました。これにサンバレーの真空管を使ったDAC Model2を組み合わせたら、堅めだったARCAMがとても良い感じの音になりました。
 といってもこのModel2を使えば全てのCDプレーヤーの音が変わるというわけではありません。MYRYADやMERIDIANの場合にはアナログアウトでもModel2を通してでも大差はありませんでした。


私のレッスン室

 2001年にこの部屋が出来て以来、この部屋のシステムがメインになりました。2003年3月にTANNOYのStirlingを入れました。 下の写真でそのStirlingの上にあるRogersのLS5/9のよく馴染んだ音もとても魅力です。

スピーカー:Rogers LS5/9
    TANNOY Stirling HE
メインアンプ:
   サンバレーSV-91B
プリアンプ:
   サンバレーSV722Macintosh型
CD:MYRYAD MCD500
MD:Victor XM-D11
チューナー:TRIO KT-8000
プレーヤー:
   リンソンデックLP12
カートリッジ:
   Ortofon Kontrapunkt b
MC昇圧トランス:
   Ortofon T-1000

 2003年6月にサンバレーのプリアンプSV-722 Macintosh型を作りました。プリアンプは管にする必要はないというのが定説のようですが、聴いてみると音の密度がかなり違います。音楽の芯を伝えてくれるという点で一日の長があります。

 2003年6月にはもう1台サンバレーのSV-501 SEを、更に2004年の正月にサンバレーのSV-91Bを作りました。


全く性格の異なる2つの300Bアンプ(SV-501 SEとSV-91B)

 今リビングではSV-501SEを、1階のレッスン室ではSV-91Bを使っています。これほど性格の異なる2つのアンプをどうして使っているのかについて説明します。
 リビングでは寛ぎながら(コーヒーとお菓子を楽しみながら)音楽を聴いていますが、こういう環境にはSV-501がよく合います。SV-91Bだと音が重くて神経質に聞こえるのです。逆にレッスン室で聴く時にはSV-91Bの方が良く聞こえます。どちらか1つをとるとすれば私はSV-91Bの方をとります。同じソースでもその時の目的によって色々な聴き方をするので、例えばある演奏家の弾き方を細かく聴きたい時や演奏家をすぐそこに感じたい時は91で、コンサートを聴きに行った時のように楽しむのだったら501で聴きます。501の方は色々な音色があり細かい音がよく聞こえますが、91の方は音の厚みとエネルギー感が優れています。私達演奏家が忘れてはならない音の厚みを出す事などはそれこそ91Bの独壇場でしょう。(お茶漬けのようなサラサラした音ではいけないのです。音と音がいつもつながっていて(legato)、それでいて1音1音発音はハッキリしないといけないのです。この感覚を日本に住んでいて持ち続ける事はとても難しいのです。この感覚は91Bの方がよく表現できています。)それに91でジックリ聴いたソースを501で聴くと、何かサラッと流れて行ってしまうような気がするのも事実です。でも91Bではあまり出てこないが501 SEではよく見えてくる面がある事もまた事実。この2つの相反するような面を両方とも欲しい欲張りな私にとってはレッスン室のメインシステムもリビングのサブシステムもどちらも大事で、優劣はつけられません。単純に聴く回数はリビングのサブシステムの方が多いです。聴きたいと思う時はリビングにいる時の方が多い上に、91Bの方は聴くのに良い意味で覚悟がいるからです。


ソルフェージュのレッスン室と離れの防音室

 この2つの部屋はいまだに中途半端なままの状態です。防音室のスピーカーを何にするかがまだ決められないからです。


寝室の簡易システム

 寝室のステレオは大変簡単なもので、私が作ったエレキットの6BM8のアンプTU-870とALR JordanのEntrySのセットです。ソースは携帯用のCDプレーヤーです。自分の部屋で寝る時に聴くためのものですが、気楽に聴くならこれで充分です。(簡易システムが欲しい方にはこの組み合わせを推薦します。バカにできない表現力を持っています。今お使いのCDプレーヤーにModel2をつなげば良いです。)

エレキットのTU-870
ALR JordanのEntry S


私が求める音

 私はN響に入団した頃一時期オーディオにのめり込みました。その頃から使っている面々が未だに現役として活躍しています。レコードプレーヤーのLINN SONDEK、プリアンプのQUAD66、スピーカーのTANNOYのDEVONです。(最初に買ったのはLINNとQUADの33と303、Devonです。)
 ところが2年前にエレキットのTU-870(6BM8シングルアンプ)を借りて聴いてから物事は変わりました。それまでCDを1枚聴くと「ご馳走さまでした。」という気分にさせられていたのですが、この小さなオモチャのようなシングルアンプだと何枚聴いてももっと聴きたいという気にさせられたのです。それから2年間にプリアンプを5つ、メインアンプを5つ立て続けに作りました。その中から得た私の求める音の条件は最初にも書いたように、まず第一に音の芯をしっかり伝えるものであること、そして音の質感密度感スピード感が全帯域で同じであること、そして機器の存在を忘れられるようなものであることです。

名演奏はラジカセで聴いても名演奏である。

 音楽は生命への賛歌です。常に時間に支配されながらも生きていく喜びを音で表現しているわけです。音楽を聴く時、演奏の技術や音色、音楽性も勿論大切なのですが、一番感動するのは何といってもその演奏の生命力に対してだと思います。たとえ音色などは充分に表現されなくても、演奏の一番根幹をなす生命力はラジカセを通してでも聴きとれるのです。だからこそスペックの劣る媒体を通しての演奏を聴いても、いくらでも感動できるのです。
 今の技術をもってすれば素晴らしいスペックを活かしたものは作れるはずです。是非新しい技術を活かして誰にでも聴いて納得できる、そして演奏家が聴きたくなるような充実した良い音を聴かせて下さい。


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